大地の揺れに挑む 免震技術の最前線
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既存建物にも安心を 免震レトロフィット改修
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地上中間階免震レトロフィット「大成建設湯河原研修センター」
本建物は静岡県熱海市に1964年(昭和39年)竣工された研修センターです。
今後予想される東海地震などで大きな影響を受ける可能性の高い地域に位置すること、及び旧耐震基準で設計されたため耐震性に若干の不安があることなどから、改修検討を行うことになりました。
本建物の改修にあたっては、以下の4つの改修案が考えられました。
:免震レトロフィット
B−1 :従来方式の耐震補強
B−2 高層階の撤去と耐震補強
:解体後新築
改修案についてコスト・工期等を比較検討しました。
その結果、以下の理由により免震構法による耐震改修を採用しました。

実際の施工(中間階免震部分)
地上16階の本館は、高層部最下階柱(8階柱)に免震部材を挿入し免震階とし、高層部の地震応答を低減させるとともに、免震層より下部に伝わる力を低減させる中間階免震構法による耐震改修を行いました。

中間階免震では免震階の上下階で大きな変位が生じるため、上下で連続した装置である下記の項目などについて中間階免震用の技術を用いています。
施工記録
耐震ネット
(工事の風景がご覧いただけます)
中間階免震装置
中間階免震装置
実際の施工
免震対応設備配管
免震対応設備配管
設備配管では内圧のかかる配管にはスイベルジョイントという特殊なジョイントを採用し、内圧のかからない配管はゴムの可とう継ぎ手としています。
中間層免震対応エレベータ
中間層免震対応エレベータ
免震階の上下をつなぐエレベータは7、8、9階の3層分のシャフトを変形可能なフレームで構成しています。
地震時にはゆるく屈曲したレールに沿ってかごが昇降するため、地震発生時にエレベータが免震階を通過する状況になっても安全です。
中間層免震対応エレベータ詳細
一般的な耐震補強と比較して免震レトロフィットでは、免震装置部分で地震のエネルギーを吸収できるため、地震動後の補修のコストが激減します。
そのため、建物工事にかかるコスト(イニシャルコスト)と建物を維持するために必要なコスト(ランニングコスト)をトータルで考えたライフサイクルコストを考慮しても有利な構法です。
高性能のセンサーと免震装置を合体させた理想的な構法を目指して、設計者は新たな挑戦を開始します。
新幹線などにも使われている技術を応用した、セミアクティブ免震の開発と実用化を次に紹介しましょう。
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