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NEWS2006

2004.01 みずほ銀行の新しい店舗づくり SI開発の受注で大成建設のデザイン力を発揮

カウンターと天井部のウイングは木質で統一。ロビー空間には曲線の椅子を配した

じっくり相談できる雰囲気のカウンター回り

半透明の間仕切りが効果的なATMコーナー
ATMコーナーには天井ルーバーに木を採用。柔らかな光がこぼれる

半透明樹脂素材を活用し、ひらかれた銀行の個性を表現提案

富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行(みずほフィナンシャルグループ)の分割・再編によって、2002年4月に誕生した「みずほ銀行」。発足に伴い、店舗づくりの核となるストア・アイデンティティー*1(SI)策定もスタートしました。さまざまな検討の結果、見事採用となったのが、軽やかな半透明の樹脂素材を効果的に使った大成建設のデザイン案です。

「新SIは、新生みずほを広く社会に印象付け、また三行それぞれの出身者の気持ちをひとつにするものでなくてはなりません。他行とはひと味違うテイストの実現が大命題でした。実際、検討をスタートする時点で、新しい、ひらかれた銀行というイメージを感じさせる“Clear=クリア”というキーワードが事前に与えられていました。そこで私たちは、素材、色、空間構成と店舗のすみずみにわたって、この“クリア”を表現することに心を砕きました。

その最大のポイントに据えたのが半透明樹脂素材です。半透明樹脂素材は今や文具から家具までさまざまに活用されており大変ポピュラーですが、従来の銀行店舗ではあまり見かけることがありませんでした。私たちは、カウンターやATMの間仕切り、MIZUHOのシンボルパネルなど随所にこの素材を採用。親しみもあってどこか新しい、オープンな空間づくりを実現しました」(設計本部建築Gr 久保勝彦GL)。

お客さまの目線に立った居心地のいいロビー空間

さらにお客さまを迎えるロビーの快適性も追求。これまでひとつながりに見えがちだったロビーと営業室の分節も図りました。

「防犯上の問題から、日本の銀行は、ロビーと営業室を完全には分割できません。そこで境界となるカウンターと天井部のウイングに同じ木素材を使い存在感を強調。お客さまのための空間と行員の方々が立ち働く空間、2つのスペースをさりげなく隔てました。柔らかな白の空間に温もりある木を効果的に配したことで、開放感のなかにも落ち着きあるロビー空間となりました。
これまでにない発想でまとめあげた私たちの提案は、まさに“クリア”というイメージにふさわしいと、高い評価をいただきました。当社のSIの受注は実は今回が初めてですが、日本を代表するメガバンクのSIデザインを手掛けたことで、当社のデザイン力の高さがあらためて証明できたと自負しています」。

2003年4月にオープンした京都中央支店、船橋支店を皮切りに、現在この新SIにのっとった店舗づくりが各地で進行中。大成建設がビルの設計・施工を担当した立川支店を含め、2004年1月末までに70店舗程度が完成し、その後も順次リニューアルされる予定です。

*1
店舗イメージを決める基本コンセプト