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2005.12 「第22回JIA東海支部建築設計競技」にて金賞を受賞

(社)日本建築家協会(JIA)主催の「第22回JIA東海支部建築設計競技」の表彰式が12月3日に行なわれ、当社からの応募作品が一般の部において金賞を受賞しました。

今回の「JIA東海支部建築設計競技」では、今後数年にわたって掲げられるシリーズテーマ『和の遺伝子を探る』とともに、回ごとに出される課題案(今回は『身体(からだ)』)に沿った作品が求められました。

今回受賞した作品は、和の空間が持っていた優れた思想を、様々な問題を抱える現代の「住まい」に再構築し、さらに身体の感覚に訴えかける空間を想像することで、身体から現代の住まいを問い直し、豊かな空間を描き出したものであるという高い評価を受けました。

【第22回JIA東海支部建築設計競技】 金賞受賞作品コンセプト


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“Injected Housing”

古来より、人が生活する空間は自然環境から身を守るためのシェルターとしてありました。そこには、ただただ純粋に風雨を遮り、安寧な寝床としての空間が存在していました。
それはつい最近まで、風が、雨が、吹き込んでくるような建築でした。障子のような紙のでできた非常に華奢な建具によって、外部と内部の境界を区切っていました。でも華奢であるがゆえに、建築の内部と外部環境との関係は常に緊張感のあるものになっていたように思えます。
しかし現在の技術は徹底的に雨を、風を、空気を、そして周辺環境を分断することを可能とし、そしてそれを私達は享受してきました。
25mmの鉄板に囲まれた空間に穿たれた□100mmの開口と高さ100mmのスリットには、ガラスも何も嵌め込まれていません。そこからは風や雨、さらには春 には桜の花びら、秋には紅葉した落ち葉がきっと入ってくることでしょう。
生活空間に周辺環境がINJECTされるのです。
ピンホールといえるような極限的な孔ではなく、窓というほど大きくもないこの開口部からは、ともすると気付かないほど、雨や風はほんの少ししか入ってきません。しかし、その極少量入り込んでくる自然環境こそが私達の身体感覚を刺激し、極限まで高めるのです。
外側を完全に遮断しているように見えるこの建物の中に入り、自身の身体感覚を最大まで拡張していった時、その空間を満たしている自然に気付くことでしょう。