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NEWS2006

2006.01 「MIKIMOTO Ginza 2」がオープン


9F内観

9Fより東京タワーを望む


マロニエ通りより
一般建築で世界初『鋼板コンクリート構造』を採用

MIKIMOTO Ginza 2は、MIKIMOTOのブランドイメージともつながる『やさしさ』『軽やかさ』『上品な力強さ』を同時に表現する建築として、『深い輝きを放つ宝石箱』のような、構造と表層が一体化したストラクチュアシステムによる力強いアイデンティティを持つ建築を目指しました。まず私達設計チームは、この建築に一般建築としては世界で初めて『鋼板コンクリート構造(CFSP)』を採用しました。これは厚さ6~12mmの鋼板の間に、厚さ200mmのコンクリートを流し込む非常に薄い壁式の構造体で、もちろん内部空間に柱はありません。この構造は原子力発電所の原子炉の外殻にも使用されるほどの高い強度を持つため、力が無理なく流れるための条件を満たせば、開口部の位置を限定することなく自由に設けることができるのが特徴です。この強固な外壁に『揺れ動く瞬間を捕まえた』ような流動的な開口パターンを穿つことで、建築のスケール感を打ち消すような、ある種の抽象性を持たせることを意図しました。
CFSPという特殊な構造は合計5体のモックアップを製作しながら、多角的な検証を行うことで実現させていきました。まずハンドリングなどの条件から外壁を運搬可能な大きさにユニット化し現場溶接で繋ぎ合わせる方針としました。また構造体がそのまま仕上げのベースとなるため、二種類のグラインダーを使い分け、溶接部を丹念に磨き上げて平滑にしました。外壁のコーティングは8工程にも及ぶ多層の塗膜の上に、MIKIMOTOの真珠をイメージしたパール塗装を施しました。
これらの作業を通じて完成したMIKIMOTO Ginza 2は、百花繚乱のデザインがあふれる銀座の街並みの中でも新たなランドマークにふさわしい、存在感が際立つ作品となっています。

MIKIMOTO Ginza 2
所在地 東京都中央区銀座2丁目4番12号
建築主 株式会社 ミキモト
規模 地下:1階/地上:9階
主体構造 主体構造:鉄骨造(鋼板コンクリート構造)
一部構造:壁式鉄筋コンクリート造(地下階)
敷地面積 276m2(83坪)
延床面積 2,205m2(667坪)
設計 伊東豊雄建築設計事務所・大成建設株式会社一級建築士事務所
工事監理 大成建設株式会社一級建築士事務所
施工 大成建設株式会社東京支店