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2008.01 「東京カテドラル聖マリア大聖堂」改修工事竣工

南側外観。そびえ立つHPシェル。 建物全体が十字架を描く丹下健三氏の斬新なデザイン。
美しい曲面を描き、ステンレスの光り輝く外壁。
トップライトの改修により、明るい自然光が降り注ぐ堂内。

献堂40周年を機に大改修に着手

東京カテドラル聖マリア大聖堂」は、1964年12月、当社施工により完成したカトリック東京大司教区の中心的教会です。丹下健三氏の設計は、8面のそそり立つHPシェル(双曲放物面を利用した一体構造)が互いに支え合いひとつの大きな十字架を形づくる斬新なデザインで、ステンレスによる光り輝く外装とともに、教会建築の傑作として世界的に高く評価されています。
一方で、完成から40年の歳月が経ち、この教会の斬新なデザインを形づくる外壁やトップライトなどに、経年疲労も目立ってきました。そこで2004年12月、献堂40周年を機に、ケルン大司教区から派遣された建築専門家とともに大改修に向けた検討がスタート。
2006年1月には「建築委員会」が組織され、協会側からは2人の司祭と4人の信者の建築士が、それに丹下都市建築設計と当社が加わり、改修におけるさまざまな問題を検討してきました。

原設計を踏襲したデザインを再現

改修の内容は、外装とトップライトの全面改修です。デザインは原設計を踏襲しつつ、どのように対候性を高めるか、がテーマでした。外装の張り替えには鉄骨下地の上にいったん防水下地処理を行い、その上に新たなステンレス板を葺いていく「瓦棒葺き」が採用されました。外装材そのものも熱伸びが少ないフェライト系ステンレスに変更、耐候性に万全を期すと同時に、素材的にも竣工時よりややダークな深みある輝きが得られるようにしました。またトップライトは、従来の雨の溜まりやすい凹型断面から、外壁に雨を流すフラットな断面へと設計変更し、技術センターの協力を得てガラス強度の検討も重ね、より採光性の高いトップライトとしました。

こうして2007年9月に改修を終えた東京カテドラル聖マリア大聖堂。
今後は百年、二百年と構造体の寿命が続く限り、いつまでも光り輝く聖堂であることを願っています。

東京カテドラル聖マリア大聖堂改修
所在地 東京都文京区関口3-16-15
建主 宗教法人カトリック東京大司教区
主要用途 教会
敷地面積 15,418.0m2
延床面積 3,649.9m2(既存)
階数 地下:1階/地上:1階(一部3階)
構造 鉄筋コンクリート造
工期 2006年12月~2007年9月
設計者 大成建設株式会社一級建築士事務所
技術監修 株式会社丹下都市建築設計
施工者 大成建設株式会社東京支店