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2011.07 明治大阪工場に「ビッグミルチ」が出現


一粒一粒設置中
空をうつすチョコレート

2011年2月23日、株式会社明治の大阪工場内において、新1号館が竣工しました。大阪工場は同社の主力工場であり、中でも旧1号館は、1955(昭和30)年の戦後復興期に設立され、長い間子供たちに夢を与える楽しい数々のお菓子を生み出してきました。その歴史ある1号館の建替えを当社が設計・施工を担当いたしました。

同工場は、敷地南側を隣接して走るJR京都線の車窓から真近に見える好立地にあります。そこで当社は、地域の方やお客様に元気になっていただける楽しい試みをと検討し、「チョコレートは明治」というブランドイメージを象徴する「明治ミルクチョコレート」を模した巨大なチョコレートファサードを提案しました。このプランは好評を博して具現化されることになりました。

目指したのはお菓子のもつ楽しさやおいしさを感じてもらえること。おいしいチョコレートのイメージであるツヤツヤでなめらかな表情を実現するため、素材を吟味し、建築的なディテールを徹底的に消去し、厳しい精度で一粒一粒手作りしました。
素材は繊維強化プラスチック(FRP)で、耐候性と造形性が高く、チョコレートのツヤ感とシームレスな表面を実現することができます。大きさは、高さ約28m、長さ166mの強大なもので、板チョコレート約38万枚にも相当します。

2011年1月から2月にかけて一粒一粒設置されるプロセスがTwitter等で話題となり、新しいコミュニケーションの輪が拡がりました。バレンタインデーを控えた2月8日、完成披露イベントを行い、最後の一粒をクレーンで取り付け、晴れて完成となりました。

そして2011年7月、この「ビッグミルチ」が第45回SDA賞サインデザイン優秀賞を受賞いたしました。
SDA(社団法人日本サインデザイン協会)が主催する当賞は、優れたサインデザイン作品を広く社会にアピールすることにより、サインデザインの普及および啓発をはかることを目的としており、質の高いサインデザイン作品に贈られるものです。

一日の光の変化や季節の移り変わりによって刻々と変わる艶やかでおいしそうな表情が、お菓子作りの現場と社会とを結び、新しいコミュニケーションの輪を生み出す「コミュニケーションファサード」となっています。
「ビッグミルチ」による「おいしい風景」。
地域の方をはじめJRを利用する多くの方に元気を届けています。

ミルチ=「明治ミルクチョコレート」の愛称。大きなミルチ=「ビッグミルチ」

株式会社明治大阪工場新1号館
所在地 大阪府高槻市
建築主 株式会社明治
用途 製菓工場
構造 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
規模 地下:1階、地上:5階
最高高さ 29.91m
建築面積 6,008.98m2
延床面積 20,835.48m2
竣工 2011年2月
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
施工 大成建設株式会社関西支店