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NEWS2011

2011.08 雷保護技術トータルシステムがエンジニアリング奨励特別賞を受賞

当社と株式会社サンコーシヤが開発した「雷保護トータルシステム」がエンジニアリング奨励特別賞を受賞しました。
一般財団法人エンジニアリング振興協会が主催する当賞は、エンジニアリング産業に寄与し、その発展に貢献し、商業的実用化が期待される先駆的技術の開発に顕著な功績のあったグループに授与されるものです。

「雷保護技術トータルシステム」は、雷電流から建物内部の電子機器等を保護する技術です。
避雷針が設置されていても、落雷に伴う誘導電流により、建物内部の電子機器等が被害を受けるケースが多発しています。 IT機器・建物制御機器が焼損により機能停止すると、企業そのものの機能が停止する可能性もあり、問題となっています。


そこで、電力中央研究所が開発した計算プログラムを適用し、建物内部の電磁界やそれによる誘導電流を計算し、電磁界・誘導電流の発生・伝播のメカニズムを解析し、刻々変化する状況を可視化・定量化するシミュレーションを開発しました。これにより、雷電流の悪影響を受ける危険な場所を特定することができ、重要なIT機器等の電子機器を、配置計画や雷保護装置の最適配置を含めて、総合的に検討することが可能となり、雷電流からの悪影響を防止することが可能になりました。


雷電磁界シミュレーション


建物全体の雷電磁界を可視化(定量化)することで、重要諸室の適正な配置計画を実現。
※図をクリックすると拡大します。

雷電流シミュレーション


建物全体の雷電流を可視化(定量化)することで、適正な雷保護装置(SPD)を選定します。
※図をクリックすると拡大します。

また、実際の建物の1/4のスケールモデルを使用し実証実験を行ったところ、シミュレーション結果との整合が得られました。こうして、本技術は前川製作所新本社ビルに適用され、良好な結果を得ることができました。
本技術は、第22回(2010年)電気設備学会賞を受賞し、NHKで放映されるなど高い評価を頂いています。今後さらに実用化される可能性があり、オフィス・病院・データセンター等の適用が見込まれます。



前川製作所新本社ビル

株式会社前川製作所新本社ビル
所在地 東京都江東区
建築主 株式会社前川製作所
用途 事務所
構造 鉄骨造(免震構造)
規模 地上:8階
最高高さ 31.35m
建築面積 1,257.62m2
延床面積 9,309.81m2
竣工 2008年4月
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
施工 大成建設株式会社東京支店
詳細 WORKS:
https://www.taisei-design.jp/de/works/2008/mayekawa.html