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2017.11 「栄光学園創立70周年事業新校舎」がダブル受賞

栄光学園

当社共同設計・施工作品の「栄光学園創立70周年事業新校舎」が2017年度グッドデザイン賞と第61回神奈川建築コンクール一般建築部門優秀賞を受賞しました。

公益財団法人日本産業デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞は、総合的なデザインの推奨制度です。
1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度」であり、以来50年以上にわたって、暮らしと産業、そして社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰し続けてきました。
賞はこの「グッドデザイン賞」と、さらに複数の「特別賞」で構成され、受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。
「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。

神奈川建築コンクールは、横浜市が復興建築促進策として開始した建築コンクールを県内全域に拡大・発展したもので、建築基準法に基づく県内の特定行政庁が共同開催し、現在に至っています。
1986年以降、神奈川県と12市が共同して、神奈川県の建築文化・建築技術の向上を図り、魅力あるまちづくりを推進することを目的に開催しています。

敷地特性を最大限に生かす校舎建て替え

国内有数の進学校である栄光学園は、1964年東京オリンピックの年にRC造で建設された3階建ての旧校舎を創立70年事業として建て替えることを決定しました。
当校は、運動場に恵まれておりスポーツが非常に盛んで、休み時間もすぐに外に出て体を動かす文化があります。
建て替えにあたり、この緑に恵まれた豊かな敷地特性を最大限に生かすために、新校舎は2階建ての計画とし、より大地に近く開放的な建築を目指しました。
また、先進的な木造技術を応用したサステナブル建築とすることで、これからの時代に必要な環境に対する感性を磨く場となることを意図しました。

大地に近い2階建て校舎

必要諸室を2階建てで構成し、教室内外の境は可能な限りオープンにすることで校庭との一体性を高めています。
本校舎のうち2階床まではRC造主体、2階床から上を木造主体で構成し、木造部分はより軽快な構造を実現し、木の繊細な表情を現しとしています。
2階床のフラットスラブ化や外周梁の偏平化、集成材で鉄骨を補剛したハイブリット柱の配置により、1階の階高を抑え2階床レベルを極力大地に近付けています。

フレキシブルな教育空間を実現する木架構システム

木造主体の2階は橋梁で用いられるゲルバー梁の仕組みを応用し、流通材を使って9mスパンを実現しています。
耐震ブレースやトラスが無い整形の架構により、機能に応じて間仕切りを決められるユニバーサルな空間となっており、将来的なカリキュラムやクラス編成による教室サイズの変更にも対応できるフレキシビリティーを備えています。
梁にはヒノキ、柱にはカラマツ、外壁にはスギを採用し、適材適所の樹種選定を行っています。

栄光学園創立70周年事業新校舎
建築主 栄光学園中学・高等学校
所在地 神奈川県鎌倉市玉縄4-1-1
用途 中学校、高等学校
構造 木造、鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
規模 地上2階
敷地面積 5,737.66m2
延床面積 9,319.00m2
工期 2015年12月~2017年4月
基本設計 株式会社日本設計
実施設計 日本設計・大成建設株式会社一級建築士事務所設計共同企業体
施工 大成建設株式会社横浜支店