当社設計・当社施工作品の「栃木 JIMINIE倶楽部 自然の家みかも」が2025年度グッドデザイン賞と令和7年度 木材利用推進コンクール 施設部門 優秀賞を受賞しました。
公益財団法人日本産業デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞は、総合的なデザインの推奨制度です。
デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動であり、1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。
当賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
GOOD DESIGN AWARD (g-mark.org):https://www.g-mark.org
木材利用推進中央協議会が主催する木材利用推進コンクールは、木材利用の一層の促進を目的としています。
その中でも優良施設部門は、特色ある木造施設等を対象とするものです。
木材利用推進協議会:https://www.jcatu.jp/home/
栃木 JIMINIE倶楽部 自然の家みかも
概要
栃木県のPFI事業であり宿泊棟・体育館棟・キャンプ場を持つ青少年教育施設です。
山麓の傾斜地の敷地を活かし地形に寄り添うやさしい建築を目指しました。
鹿沼組子をモチーフとした体育館や緑を取り込み内外の連続性を生むなど、栃木の魅力と自然を身近に感じるデザインとしています。
この建築を通して子供たちが自由に学び文化が継承されることを考えました。
デザインのポイント
1.みかも山に寄り添う自然にやさしい建築
2.栃木県産材を積極的に使用した温かみのある空間
3.栃木の文化を学べる仕掛け
背景
栃木県では、県立青少年教育施設の老朽化や少子化などから、2006年に「青少年教育施設再編整備計画」を策定しました。
この計画では、「とちぎ海浜自然の家」、「なす高原自然の家」、本施設「みかも自然の家」の3施設により運営を行うこととしています。
敷地は、栃木県栃木市の県営みかも山公園内に位置し、木々が生い茂り傾斜地の山の麓にある自然豊かな場所でした。
また、敷地内の高低差は最大で約25mあり、北側には山々が、南側には開けた風景が広がる、こどもたちが自然に触れ合うには絶好の場所でもありました。
本事業は、建築工事と造成工事一体型の整備事業であることを活かし、山を切り開いて平地を造るのではなく、建築と地形を融合させ自然と緩やかにつながる建築、建築を通して文化・人とふれあう自然体験型の教育交流施設を目指しました。
経緯とその成果
初めに敷地形状を3D解析し、緩勾配部への建物配置を検討しました。
それにより、豊かな森林を保全し南側には開けた景色を、北側には森への眺望を確保しています。
平面形状は等高線に合わせ森を散策するような造形とし、屈折部には自然との結節点となるデッキを設け内外の連続性を創出しました。
また傾斜地に沿って1・2階をずらし、1階を土留壁を兼ねたRC造、2階を木造とし、地形に寄り添う自然にやさしい建築としてこの場ならではの造形を実現しました。
体育館の屋根架構は鹿沼組子をモチーフとした六角形のデザインを考えました。
部材接合部は金物を挟み込んでビス留めし、木材のみが見えるよう工夫しました。
また、BIMと実寸モックアップで納まりを入念に検証しました。
さらに、部材長さを6m以下とし一般流通材を使うことで施工性と県産材の利用促進も考えました。
多角的視点から栃木の文化を感じる象徴的な架構を実現し、その下に子供たちが賑わう風景を創出しました。
建物概要
- 建築主
- コネクト栃木株式会社(元発注者:栃木県)
- 所在地
- 栃木県栃木市岩舟町下津原1808番1
- 用途
- 宿泊・研修施設
- 構造
- 木造、鉄筋コンクリート造
- 階数
- 地上2階
- 敷地面積
- 31,449.43m2
- 建築面積
- 5,109.77m2
- 延床面積
- 6,136.31m2
- 工期
- 2022年11月 ~ 2024年2月
- 設計
- 大成建設・安藤設計共同企業体
- 施工
- 大成建設・板橋組特定建設工事共同企業体
大成建設担当者

- 建築設計
- 伊藤真樹

- 建築設計
- 飯田雄介

- 建築設計
- 松岡弘樹

- 構造設計
- 阪井由尚

- 構造設計
- 上野那穂子

- 設備設計
- 小和田信裕

- 設備設計
- 渡邊裕美子

- 電気設計
- 皆川翔太郎

- インテリアデザイン
- 徳野博子


