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TRAINING PROGRAM / STUDENT SQUARE

オムニア板工場見学

協力:タカムラ建設株式会社

藤原 稔(建築)
2004年入社



設計者がPCを選択する場合の多くに、工期や施工方法が関与していると考えられます。構造をユニット化し工場にて大量生産し工期を短縮する、あるいは、足場をなくすためにPCにタイルなどを打込んで外装をユニット化するといった具合です。
デザインの観点からPCを選択するケースは非常に稀なのではないか、こういったことを考えながら見学していたのですが、見れば見るほどそれがあくまで「稀」であり、少なからず存在するということに気が付きました。
それはPCの非常に高い精度を目の当たりにしたからです。その精度は現場打ちでは真似のしようのないものであり、これならば施工精度を考慮した無駄なフカシなども最大限減らせると思いました。恐るべき水平垂直性も同様です。こういったPCならではのメリットは、特にシステムをデザインするといった場合に非常に有効に働くと感じました。
この建築ではPCの現場打ちとは異なる独特の質感や断面形状の小ささが非常に効果的に表現されていました。

今回の研修では、PCは構造部材として所謂素材以上に空間に直接的に作用する可能性があることに気が付きました。ジョイントなど解決しなければならない点もありますが、それこそデザインの力を発揮してPCにしか達成できない空間を創造してみたいと思いました。