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WORKS 2000

デックス東京ビーチ アイランドモール

用途:複合商業施設
所在地:東京都港区
延床面積:I期シーサイドモール+II期アイランドモール 計69,035.02m2
地上:8階

建築設計主旨

臨海副都心というよりも、今や「お台場」で知られる人気スポットにデックス東京ビーチが先行オープンしたのが1996年のことです。各階を大きくセットバックさせ「デックス」のネーミングの由来であるデッキボード張りのオープンテラスづくりを主眼とし、ニュートラルな印象を心がけた商業施設です。当初の計画からデックスは2段階開発を考えており、その後、周辺街区の成熟に歩調を合わせた4年後、II期増築=グランドオープンとなりました。増築にあたっての新たな魅力づけのポイントとして、I期との間に必然的にも生じた6×100m、h40mの「すき間空間(センターデッキ)」を核空間としました。ここにデッキボード張りの空中デッキやオープン階段、連絡ブリッジ等を自在に配し、相互の回遊機能を持たせています。商業施設として大切な環境照明計画は建築的しつらいを活かすように、そのシルエットを強調し、昼景と夜景の表情を創ることにより、風景の反転性を意図しています。レインボーブリッジからの遠景、そして近景に至り、施設内部を巡る流れを意識し、演色性の良い光源でダイナミックな、そしてリズミカルな環境照明としています。これらは多面なシークエンスを生み、テナントや商品自身、なにより来訪者が生き生きと引き立ち、さらに来訪者同士がお互いに内部外部を問わず「見る・見られる」といった活気あふれる「場面・舞台」づくりの演出となっています。

構造設計主旨

テナントの配置計画や、将来の変更に対応できるフレキシビリティを持たせるため、南北方向はロングスパン(11.0m)とし、東西方向はI期既存部との整合性を確保するために同一スパン(8.4m)としています。主架構は鉄骨造の純ラーメン構造を採用しています。柱には冷間成型柱に高強度のコンクリートを充填したCFT構造とし、耐力と変形性能を高めるとともに、耐火設計により柱の耐火被覆を軽減しています。基礎にはマットスラブを採用し、根切底を浅くして残土排出量を少なくしています。杭は場所打コンクリート拡底杭をGL-34.0mの強固な砂礫層に支持させています。

設備設計主旨

レンタブル比の向上、テナントの店舗配置計画や、将来の変更に対応できるフレキシビリティを持たせるため、天井吊り空調機を採用し機械室の省スペース化を図っています。またII期増築にあたって、I期既存部を含めた機能・安全面を重視した効率の良いシステムの構築、維持管理計画の配慮を考慮しています。熱源計画は臨海副都心全体のDHC(地域冷暖房設備)がインフラとして整備されており、増築用途でDHC引込みサイズをアップすることなく、I期時のもので賄っています。

担当

担当
設計 日建設計・大成建設設計本部
共同設計室
大成建設担当者
総括 河野晴彦
建築設計 東宮英明
構造設計 川村東雄、大島基夫、平尾明星、大石哲哉、尾崎功
設備設計 市橋隆、堀川康博、黒田信行、秋山聡

社外受賞

1997年 JCDデザイン賞奨励賞
1997年 グッド・デザイン施設選定賞
1998年イソバンド・イソダッハ・デザインコンテスト特別賞