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WORKS 2002

品川プリンスホテルエグゼクティブタワー

用途:ホテル、映画館、店舗、チャペル、音楽ホール、ボウリング場
所在地:東京都港区
延床面積:49,995m2
地上:32階 / 地下:1階

建築設計主旨

本建物は、品川プリンスホテルの新築であり、東京の南の玄関口として重要度が高まっている品川地区に新しいエンターテインメント施設を付帯したシティホテルとして計画されました。
敷地は東西に延びる桜並木の坂道や銀杏の木が点在する緑豊かな環境の中にあり、複数の階にエントランスを持つ商業施設を敷地勾配に沿って配置することにより、地形を生かした街路空間を創り出しています。
タワー状の高層部にはダブルルームの客室が入り、低層部には大宴会場、映画館、ボウリング場を配置しています。ELV、ESCを挟んで低層棟の反対側にはアイマックス棟があり、アイマックスシアター、円形上の平面とバルコニー個室を持つ個性的なエンターテインメントバー(クラブeX)、フードコートが重ねられています。
建築全体が「様々な施設が集積した街」であるとの考えから、立面的にも複数の建物が集積したイメージでデザインされています。中心となる高層棟とガラスによるアイマックス棟に加え端部や接続部分の独立したボリュームの組み合わせにより一連の建築群のような印象を持たせ、街としての様相を表現すると共にヒューマンスケールを創り出しています。それぞれのボリュームのテクスチャーは、シティホテルとしてのプレゼンスを保った範囲で出来るだけエンターテインメントホテルにふさわしいポップなタッチを持たせるようなデザインとしました。

構造設計主旨

高層棟コア部は、鉄筋コンクリート鋼管柱と鉄骨梁でフレームを構成し、外周部はRC造純ラーメン構造としています。床組は、鉄骨小梁と鋼製デッキを使用したRC床とし建物の軽量化を計っています。構造上の特徴は、

  1. 建物内部の梁をすべて鉄骨造としていることで建物の軽量化と自由な内部空間の確保
  2. 筋コンクリート鋼管柱の無耐火被覆
  3. 無耐火被覆や鉄骨量削減による低コスト化
  4. CFT構造や鉄骨造と同等の工期
です。
材料の高強度化に加え、RC造建物にハイブリッド構造を導入することにより、自由な内部空間を有するRC造主体の超高層建築物が、低コスト・短工期で可能となりました。

設備設計主旨

品川プリンスホテルエグゼクティブタワーの設計に当って、施設の省エネルギー・維持管理の容易さと、最小限の設備スペースを高次元で融合することを目指しました。空調機器類は極力天井内設置することとし、防音対策・メンテナンス用ステップの設置等により必要性能とメンテナンス性能を確保した上で機械室レス空調を実現し、レンタブル比の非常に高い建物を実現できました。またこれにより、デザインに対する自由度を高める効果も合わせて発揮できました。
客室、パブリックエリアは、快適性と省エネルギー化を軸とし、客室内壁埋込式液晶TV省エネカードキーSW、高速LAN設備、パブリックエリアのプラズマディスプレイ情報表示装置、客室廊下、WC人感センサ式照明点滅制御等により具現化しています。

担当

大成建設担当者
統括 阿部俊一
建築設計 王丸恵文、田中正一、森清敏、高橋秀秋
構造設計 川端一三、森田寛、浅山長生、小室努、辰野達
設備設計 森田和義、御器谷良一、西村英俊
インテリア 香田顕作、吉富公慈、塚原香、徳野博子、桜本啓三、横山恭太、桜井純江
音響設計 新井昭義