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WORKS 2003

ユニマット裏青山通りビル

用途:物販店舗、住宅
所在地:東京都港区
延床面積:515.29m2
地下:1階/地上:5階

建築設計主旨

シンボリックな形態による交差点からのインパクト
日影規制・高度斜線により削り取られ、歪んだボリュームの中に唯一「塔状のボリューム」を乗せられる部分があり、この部分をシンボリックなガラスの箱としています。4・5階にあたるこの部分は、第2種中高層階住居専用地区(4階以上は住居系用途に限定される)のため、戸建て住宅としています。5階は眺望の良さを活かした「開放された空間(居間とベッドルーム)」、4階は「住」機能を考慮した「閉ざされた空間(玄関、ダイニング、キッチン、バス、トイレ)」のメゾネット住宅を提案しています。
間口いっぱいのショップフロント
1・2階のお店のファサードは、狭い敷地間口を十分に活かした、大きなガラスカーテンウォールとしました。「お店」としての顔づくりを第一に考え、エントランスホールや階段といった機能をファサードから排除しています。
中庭からのアプローチ
お店のファサードのカーテンウォール・フレームの一部に、中庭へ通じる「入口」があります。そこから1階店舗脇通路を通って中庭に入っていくと、中庭に面して4階まで通じる「外部階段」と「ELVホール」があります。中庭を「エントランスホール」と位置付け、そこを介して上下階へアプローチする構成となっています。
店舗と住宅が共存する建物構成
第2種中高層階住居専用地区のため、4階以上は住居系用途に限定されます。しかし、4・5階の住宅までの動線をお店のファサードと切り離し、「中庭=エントランスホール」とすることで、店舗と住宅の共存が可能となりました。5階住宅からの眺望は絶景で、都市を360度見渡すことができます。

構造設計主旨

本建物はテナント入居者の使用性や将来のフレキシビリティを考慮し、耐震壁を設けずに鉄筋コンクリートの純ラーメン構造としました。地下部分は基礎底深さを最小限にするためにマットスラブ構造とし、場所打コンクリート杭にて建物を支持しています。
建物のもっともシンボリックな部分である4、5階のガラスの箱は、柱を壁面から後退した位置に配して外周部を片持ち形式とし、さらに屋上梁を逆梁として構造フレームが極力目立たないように工夫しました。
また狭小な空間を有効に活用するため、中庭の鉄骨階段は階段全体を片持ち支持とし、先端の間柱を省略しました。

設備設計主旨

建物の特徴である『ガラスの箱』の開放感を保ちつつ、ガラス張りで高い空調負荷となる空間へ、空調機をどう納めるかがポイントとなりました。
高い天井高、及び天井ふところを薄くする必要性から、天井には極力機器を配置しないこととし、空調機は隠蔽型の床吹出しとました。吹出口の配置は窓際に配置し、居住空間となる室内のレイアウトへの影響を極力少なくなるように配慮しました。またシーリングファンを設置し冬季の暖気上昇を軽減することとしました。
又、狭小敷地の中に、増圧ポンプ、高圧キャビネット、キュービクル等の設備機器をいかにうまく配置し、存在感を消せるかに注力しました。

担当

大成建設担当者
総括 増田裕康
建築設計 北村浩
構造設計 西本信哉
設備設計 八田良行
電気設計 星野顕