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WORKS 2005

荏原実業 中央研究所

用途:研究所
所在地:神奈川県川崎市麻生区
延床面積:803.84m2
地上:2階

建築設計主旨

荏原実業株式会社は、主に独自の環境関連製品を製造・販売する一部上場企業です。このプロジェクトは、武蔵小杉にある既存研究所から、水処理・マリン&アクア事業などの部門を移転させるというものでした。
<環境保全ビジネスのリーディングカンパニーを目指す>企業方針を体現するために、真っ白なボックスの外側を有孔折板で覆いました。有孔折板は、南面する吹き抜け空間を日射から守ります。また、研究所用途では外壁に数多く必要となるベントキャップ・フードなど設備の目隠しにもなります。外側からは<オブラートに包まれたボックス>のように見えるよう、内側からは閉塞感のないビューを実現できるよう工夫しました。
内部では、吹き抜け空間に附属する階段の踊り場に<コミュニケーションスペース>を設けました。研究者同士のふとしたコミュニケーションから、研究のヒントやアイデアが生まれることを期待しています。

構造設計主旨

エントランスホール空間の強調された細い縦の線の中で柱をスリム化するために、その屋根部分の荷重を軽くし、地震力はそれ以外の柱で負担することで実現する計画としています。事務所空間においても研究所らしい空間を作る為ブレース等を配置しない、鉄骨純ラーメン構造としました。構造コストの低減のために根巻、埋め込み等の構法がありますが、今回は当社で開発されたネジベースをいち早く採用し、杭頭半剛接合のF.T.PILE構法(既成コンクリート杭に適用)と併用することで空間性、コスト、施工性に大きく貢献する計画としました。

設備設計主旨

円滑な研究実験活動をサポートする設備環境を確立するために、客先との綿密な打合せを重ね設備計画をおこないました。
部屋毎で実験内容や活動時間が違うため、各実験室に個別の電気盤を配置、実験用コンセントを区分し、また空調・換気設備の個別運転が可能となるように計画し、部屋毎の独立性を確保しています。
将来の研究内容の見直しに備え、電源容量の増設対応への配慮や換気計画の変更増設に対応できるように将来用の換気用フードを配備するなど、フレキシブルな設備計画としています。

担当

大成建設担当者
建築設計 小林直明、杉江夏呼
構造設計 西川泰弘、小山智子
設備設計 森山泰行、三谷正志
電気設計 森山泰行、湯浅 孝