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WORKS 2005

富士スピードウェイレストラン ORIZURU

用途:レストラン
所在地:静岡県駿東郡
延床面積:1,162.62m2
地上:1階

建築設計主旨

4年ぶりにリニューアルされた富士スピードウェイに新たに建設されたレストランです。スタンドの屋根のイメージである日本の折り紙をベースとしてスピード感のあるシャープなデザインを試みました。一見シンプルですが架構は複雑で大きなキールトラスが大屋根を斜めにつらぬいています。そのため同じレベル同じ大きさの梁が一つもないという手作り感覚の作品になりました。キールの先端の軒先は9メートル大きく跳ね出し、ヘアピンコーナーの丘に印象的なファサードを演出しています。

構造設計主旨

立体的に傾斜している大屋根を支える鉄骨梁が3次元的に傾斜しています。そのため、柱に梁が傾斜して取り付くことになり、複雑な鉄骨加工を要求する架構となりました。
はね出し長さ約9メートルの軒天井を軽快なものとするために、本体からの片持ち梁の間隔を小さくするなどの工夫もなされています。大きなガラス面には間柱を通さず本柱からの片持ち架構により外壁を支持することで、サーキットへの視線をさえぎるものを無くすことができました。

設備設計主旨

建物配置の特徴として、レーシングコースを見渡せる西側に、大きなガラス面が計画され、いかに効果的に空調を行うかが最大の懸案事項でした。
デザインを含めた検討の結果、客席の面した天井に化粧露出ダクトにノズル型吹き出し口(自動風向調整機能付き:冷房と暖房で吹き出し方向が自動的に変化する)を設け、ガラス面に向けて空調空気を吹き出すことで、対処しました。
結果として、施設にふさわしいメカニカルな雰囲気を与えるダクト、ノズルの組み合わせとなり、空調環境も良好になりました。また、エントランスに近い部分のノズルは外気の流入による結露防止対策を行っています。
照明は軒天井から連続する白い面を反射板とし、柱設置のブラケットと黒い天井にランダムに並んだダウンライトにより、シャープでシンプルなイメージを活かすことを考慮しました。

担当

大成建設担当者
建築設計 富川桂二郎、安田孝、松田佳子、加藤淳子
構造設計 佐藤啓治、武谷政国
設備設計 榎並顕、角田宜彦
電気設計 榎並顕、木下清一