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WORKS 2005

サタケヤシソテツ園・資料館

用途:展示施設(資料館)
所在地:沖縄県石垣市
延床面積:189.48m2
地上:2階

建築設計主旨

琉球八重山椰子の発見者であり、椰子に関する世界的権威の農学博士、故佐竹利彦氏の記念館です。その発見場所である石垣島、米原八重山椰子群生地に計画された椰子公園の北斜面に東シナ海に向かって建ち、椰子に関する資料館と群生する八重山椰子を一望する展望台で構成されています。
単純な白いキューブは深い森の中に浮いた白い標本箱、10m立方の箱のなかに組み込まれた空間エレメントにより敷地を取り巻く要素(海、緑、光、空、景色、訪問者の意識)を抽出し抽象化し新たな発見とする装置空間です。2階の展示室はハイサイドライト窓から注がれる漂白された光の空間。さらに階段を上がり展望台デッキへ、そこには360度に広がるパノラマ空間があり、眼下に広がる青い海と椰子の樹海に訪問者は異次元を体験します。

構造設計主旨

ほぼ10m立方の全体形は、鉄筋コンクリート壁式構造で構成されています。建物の建つ平坦な場所が限られた広さであることから、1階から上は基礎から概ね2mはね出しています。さらにテラス上部に大きく張り出したひさしを設けていますが、これは約4mのはね出しスラブです。構造体のほとんど全てがそのまま建築の内観、外観に活かされるよう、デザインと調和したミニマムな構造美を追求しました。

設備設計主旨

沖縄の伝統的建築の手法を取り入れた外部に開放的な建物であることから、設備計画においては全搬にシンプルでミニマムなものとし、建築デザインとの調和を計っています。
電気計画は展示室はダウンライトと天井間接照明により、展示品と展示空間を演出しました。空調計画は事務室と展示室に空冷ヒートポンプパッケージを設け、屋外機と給気口は1階スラブ下に基礎梁成を利用して集約するなど、外観に配慮し、かつメンテナンスも容易となるよう計画しました。

担当

大成建設担当者
建築設計 増田裕康、牧野健太郎、友景寿志、大島友延
構造設計 玉田光
設備設計 賀川克紀
電気設計 前田義徳

社外受賞

2006年 第31回 日事連建築賞奨励賞
2007年日本建築学会作品選集2007