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WORKS 2006

株式会社ギャバン関東事業所

用途:香辛料製造工場
所在地:栃木県足利市
延床面積:13,950.96m2
地上:2階

建築設計主旨

香辛料としては日本最大規模の製造と流通の2つの機能を併せ持つ株式会社ギャバンの国内基幹工場です。
ギャバン製品の中でベーシックかつ主力商品である胡椒のパッケージカラーを使用することで、ブランドをイメージしやすい外観としました。防虫対策上必要最小限の開口しかない工場部分をスチールボックスとして表現することに対し、見学・管理部分をガラスボックスとして開放的にすることで、機能をボリュームと関連づけたメリハリのあるデザインを目指しました。
内部空間はギャバンの扱う原料の豊富さをイメージできるよう、素材感・色のバリエーションをアクセントに計画しました。製造室を見やすくするため見学者窓を傾斜させるなどの工夫を行うだけでなく、香辛料を「見る」「触れる」「味わう」「嗅ぐ」という体感できる博物館のような施設づくりを目指しました。

構造設計主旨

当建物は、部分的に2階を有した1層の建物です。
屋根は折板、外壁は断熱サイディングを用いたため比較的軽く、柱の基本グリッドを10mx20mとして構造計画しました。
地上架構形式は一方向ラーメン構造、他方向ブレース構造を採用して経済設計を行いました。
1階の床形式はフラットスラブとし、基礎は杭基礎(FT-Pile)としました。
当敷地は川と山に挟まれた低地を造成した場所に位置しているため、支持層の設定に際しては、ボーリング調査を合計9箇所実施することにより適切に杭長を設定しました。

設備設計主旨

環境共生を意識し、かつ合理的で省エネルギー性の高い設備計画を目指しました。
香辛料の工場であり、胡椒は3日間天日で干すという工程もあることから、太陽の恵みを受け製造を行なう工場のシンボルとして、正面ゲート付近に太陽光発電40kw、屋上に10kwを設置し、系統連系を行なっています。発電量は随時エントランスにて確認することが可能となっています。
周辺環境への配慮として、工場から出る胡椒工場特有の排気臭にオゾン脱臭装置を設置し、作業エリアでの粉塵対策として当社開発品である洗浄可能な空調機Tas Cleanを採用しました。
また、設備機器置場の一元化、ユーティリィ棟の建設により設備機器の維持管理を容易にし、安全性も確保しています。
天井高が高いエリアでの居住域空調、空調された空気のカスケード利用、照明計画の効率化等、各種省エネルギー手法にも配慮しました。

担当

大成建設担当者
建築設計 下村真一、橋爪宏直、小林真弓
構造設計 島田博志、豊田祥之、福本陽介
設備設計 中田義治、竹内伸介
電気設計 中田義治、内田元

社外受賞

2007年 第19回 栃木県マロニエ建築・景観賞奨励賞
2007年第25回 足利市建築文化賞