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WORKS 2006

本田技術研究所朝霞二輪開発センター20号棟

用途:研究所
所在地:埼玉県朝霞市
延床面積:9,325.17m2
地下:1階/地上:5階

建築設計主旨

建物の用途は二輪デザインセンターです。クレイモデルを製作・評価する全面光幕天井を採用した天井高4mの作業エリアと、デザイン画をスケッチ・作図するデスクエリア、パーツを塗装・加工する塗装設備室や工作室、スケッチおよびモデルプレゼンを行うプレゼンルームなどで構成されています。
二輪開発センター内は実験・研究施設が密接して立ち並んでおり、屋外に緑地や寛げる場所が少ない環境にあるため、クリエイティブな業務にとって大切な「ゆとり」と「コミュニケーションがとれる空間」を建物内部に取り込むことが重要と考えました。そこで建物の中心にセンターウェル(11m×8m、高さ32m)を設け、階段を配置して縦の移動動線を取り込み、打合せスペース、ラウンジや展示スペースなどを周囲に配置することで、コミュニケーションが取りやすく開放的で一体感のある空間としました。
世界最強モーターサイクルのデザインセンターに相応しい環境づくりがテーマとなっています。

構造設計主旨

エントランス部分のピロティは吊り構造を採用することにより1階に柱のない機能的な空間を実現しました。柱のないフレキシブルな空間が必要な作業エリアはロングスパン架構とし、18×30mの無柱空間を実現しました。
センターウェル階段は軽快さを表現するためプレートにより構成し、中間踊り場を吊ることによりフロア間でL字形状となる階段でセンターウエルを取り巻く連続した階段としました。また、1階から2階の階段はRC壁より段板を片持ちで跳ね出すことによりササラのない軽快な階段を実現しています。

設備設計主旨

作業エリアでは、実寸法のクレイモデルの作成や実車を用いたデザイン検証・カラー&グラフィック作業を行います。そのため、より自然に近い色合いを再現し、モデルに影が出ないような照明計画が求められました。そこで通常美術館に用いられる演色性の高いランプを使用し、天井全体を光膜(ライトシェード)とすることで、照度1000Lx以上の均一かつ、自然に近い光環境を実現しました。
また、デスクエリアは3750の天井高さのあるデザインスペースのため、当社の開発した全面床吹出し空調(T-BREEZE FLOOR SYSTEM)を採用し、居住域空調による省エネルギー及び、均一な空調吹き出しによる快適なデザイン空間としました。

担当

大成建設担当者
建築設計 富川桂二郎、渡辺岳彦
構造設計 関清豪、有山伸之、西尾博人
設備設計 澤田章、角田宣彦、鈴木真人
電気設計 澤田章、角田宣彦、小林徹也