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WORKS 2006

今井自動車教習所

用途:自動車学校
所在地:東京都江戸川区
延床面積:2259.67m2
地上:5階

建築設計主旨

教習コースに向けて2層毎に吹抜けを持つラウンジは、フィーレンデール梁と吊構造により構造体の存在感を消し、最大限の開放性を持たせることで施設のアクティビティを地域に発信することを意図しています。
1階で大きく張り出した庇は内部空間を拡張した半屋外ラウンジとして機能しつつ、教習コース、送迎バス乗場、駐輪場、駐車場をむすびつけるネットワークを形成しています。
また、東西面を遮断し南北の主風向を生かした自動通風制御システム、ヒートチムニー、光庭、屋上緑化、庇、LOW-Eガラス等の環境共生技術は自然と調和した建物を実現しつつ外観のデザイン要素となっています。

構造設計主旨

ラウンジでの開放感ある空間を実現するため、3・5階に位置する15mスパンの床梁は透過性のあるデザインと構造的に長スパン梁を可能とする、梁成1150mmのフィーレンデール梁としています。このフィーレンデール梁より外部に向かって片持ちスラブを配置し、そのスラブの先端で2層分のガラスカーテンウォールを支持しています。さらに、このフィーレンデール梁よりタイロッドを用いて直下の床を吊り構造とし、この部分の2、4階の床梁の梁成を小さくすることで軽やかなラウンジ空間としています。

また、鉄骨柱の柱脚にはアンカーボルトに高強度ねじ節異形鉄筋を用いたネジベース工法を採用し、杭にはF.T.Pile工法(大成式杭頭半剛接合工法)を採用して建物の耐震性能を確保しながら経済性の向上に貢献しています。

設備設計主旨

ガラスで囲まれた階段部をヒートチムニーとして考え、効率的に建物全体の自然換気を行えるように自動開閉可能な換気窓を配置しています。さらに中間期は自然換気、夏期はナイトパージが行えるように開口部の自動制御を行っています。空調方式については、ランニングコスト低減のため、運転時間帯が限られる教室・事務所部門に氷蓄熱ビルマルチを採用しています。また、ラウンジ部の天井高さを極力高くし開放性を確保するために、天井段差などを利用した建築化制気口を設置するなどデザインと一体となった設備システムの工夫を行っています。

担当

大成建設担当者
建築設計 小笠原祥仲、西尾吉貴
構造設計 勝田庄二、多田好視
設備設計 笹島修二、龍英夫、安田勝彦
電気設計 笹島修二、堀雄二