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WORKS 2006

Kichijyoji the α

用途:集合住宅
所在地:東京都武蔵野市
延床面積:610.17m2
地下:1階/地上:4階

建築設計主旨

当建物は、中央線吉祥寺駅近傍の低層住宅地に100坪という小区画の土地に建っています。『住戸数が多く、類似例のないオンリーワンの賃貸住宅を計画したい』という施主要望に対し低層高密度でも息苦しくない『オリジナルの住まいのカタチ』を提案することがテーマでした。
最大住戸数確保のために、前面道路に繋がる4m弱幅の中庭を挟んで建物を2つに分け、住戸居室窓が中庭側に向いた4m×6mの基本空間ユニット25個を縦や横に連携させ、1間(1R)、2間(1DK)、メゾネット(1LDK)などのバリエーションとなる仕組みとしました。
高密度でも魅力を感じてもらえるよう各住戸アプローチに変化がつくよう気を配りました。屋内共用やエレベータは設けず、B1・1・2階は中庭を玄関ホールと位置付けそこから直接アクセス。3・4階は建物を廻るように階段や廊下を配置し、空中歩廊で中庭を通らせるルートを用意。
外観では道路から見える中庭に共通化された窓やバルコニーが並び、階段が感じられず住戸数や玄関へのアクセス経路が一瞬で判別つかなくなるようデザインしました。
門から入った中庭に各住戸が部屋のように面し住人同士の暮らす気配を感じあうこと。18戸最大23人住いの『みんなで暮らす家』として感じてもらうことを意図しました。

構造設計主旨

最大住戸数確保による細かいユニット分割要望と、中庭側への開口を最大限確保するためにRC壁式構造を採用しました。開放感を感じられる空間となるよう壁面量配分に細かく気を配り設計しました。
屋外階段や窓廻りを避けた部分で効果的に壁量を見込むことで、細分化されたように見える建物でも一体的で十分な耐震性を確保することが出来ています。
施主要望より賃貸住宅の室内仕上更新を最小限にするべく、耐久性のある仕上として RC打ち放しの採用を要求され外壁窓廻り以外で天井や一部露出してしまう梁として設定しデザイン的なメリハリをつけることができました。

設備設計主旨

最大住戸数を確保する為に限られた共用部の中で、最小限の屋根付屋外廊下を利用し、最小限でメンテナンスしやすい設備スペースを計画しました。
また、出入口やバルコニーが連続しない複雑な住戸重層でもメンテナンスに配慮したMB、PS等の設備スペースを確保しています。
セキュリティ面では開放的な共用空間でも住人への安心を提供するオートロックや、無線通信によるコストパフォーマンスの高い機械警備システムを計画しました。
メンテナンス性を考慮し照明ランプを3種類に限定した中で、建物の最大の特徴である中庭を包む共用と住戸専有に規則性と統一感をもたらす照明を実現しました。

担当

大成建設担当者
建築設計 富川桂二郎、鈴木彰信、高本淳子
構造設計 佐藤啓治、北条久子
設備設計 澤田章、矢後佐和子
電気設計 澤田章、星野顕