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WORKS 2006

京楽産業グループ静岡ビル

用途:事務所、ショールーム、住宅
所在地:静岡県静岡市
延床面積:657.75m2
地上:2階

建築設計主旨

本建物は遊戯機器の製造・販売メーカーである京楽産業グループの、東海地方の拠点となる静岡支店ビルです。事務所・商品のショールーム・倉庫・支店長の住宅という様々な性能と共にこの地域で懸念される地震への対策も求められました。
採用した基礎免震により、地面から切り離されて浮かぶ上部構造をシンプルな白いフレームで構成し、ガラス・タイル・金属パネルといった素材のボックスそれぞれに用途を与えてフレームの中にはめこんで、多種な機能を内包したファサードを作りました。
南側に位置する2層吹抜のガラスのボックス=ショールームは、白い空間全体が展示機器の鮮やかな色合いを生かし、街並みにもアピールするショーケースとなっています。
西面のガラスのボックス=事務室・倉庫のカーテンウォールは、サインや展示ケースを組み込んだ長さのあるビルボードの役割を持たせると共に、2階の住宅のバルコニー手摺と一体化させて生活感の表出を抑えるように配慮しました。
新しい試みを次々と送り出す意欲的な企業のCIが、この建物全体からも日々発信することが出来ればと願っています。

構造設計主旨

本建物はお客様の要望に答えて、免震構造を採用しています。地盤改良を施した地盤上に基礎を構築しその上に免震装置を配置し、地上構造物を支えるとともに免震化しています。
免震システムは高減衰積層ゴム支承と弾性すべり支承を組み合わせたシステムとし、地上構造物の固有周期を延ばしかつ地震エネルギーを免震装置で吸収することで、地震入力を大幅に低減させています。
地上部分の構造種別は免震機能をより発揮させるため、重量のある鉄筋コンクリート造としました。
なお、ショールームでは広々とした空間を実現するため細い鉄骨柱を部分的に採用しています。
建物外周は、キャンチレバーの床と庇を廻すことで、軽快な箱形状を際立たせています。

設備設計主旨

ショールームを訪れる来訪者に心地よい空間を提供することと、事務所・倉庫・住宅の用途に適した快適で使いやすい設備計画としました。
ショールームは2層吹き抜けのガラスカーテンウォールから構成されていますが、空調は壁吹き出し、壁吸込みとし居住域を効率良く少ないエネルギーで快適な環境を提供できる計画としました。倉庫には事務所からの余剰空調空気を流し外乱を抑制し、住宅にはTESによる床暖房や24時間集中換気、バス乾燥機等を備えて快適性を高めています。
外部の不審者に備え、各所にITVや、不審者威嚇用に人感センサー連動の投光器を設置するなど、セキュリティに配慮した計画としました。

担当

大成建設担当者
建築設計 川村信之、中澤亜紀子、山崎信宏
構造設計 西川泰弘、井上慶一郎
設備設計 出野昭彦、豊原範之
電気設計 出野昭彦、小林卓哉