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WORKS 2006

明治大学府中グラウンド

用途:大学(スポーツ練習場、合宿所)
所在地:東京都府中市
延床面積:9,733.47m2
地上:2階

建築設計主旨

このプロジェクトは、緑豊かな原風景を残すべく新築する建物をもとある自然にどう溶けこませていくのかが主題でした。元々三井物産の社有地として総合グラウンドがあったため、再整備をするにあたり最小限の造成と樹木伐採、既存施設のできる限りの再利用、さらに周囲の木立に見隠れするように新築することを心がけ計画しました。
合宿所は都市公園内建築としての制約のため鉄骨造2階建てとし、周辺地盤の起伏から突出しないボリュームに抑えています。廻りの景観に馴染むように外壁には米松材竪板張り、バルコニーには南米イペ材によるルーバーを採用しています。敷地外周の桜の木とも合わせ外壁に自然素材を使うことで、季節や年月とともにより溶けこんでいくことを期待しています。建物は片流れの屋根で覆われ、野球部員総数120人の一体感がうまれるように中庭を取り囲んで寮室を配置、食堂等共用部は戸外に拡がる視界を持つことで伸びやかな空間を意図しました。

構造設計主旨

既存体育館を屋内練習場として再利用する計画でしたが、検査済証が未取得であったため、府中市との度重なる協議の上、耐震性および長期使用性能を確認し本計画を実現するに至りました。
建物は合宿所、投球練習場、スタンド(観覧席)、その他グラウンド施設に付随する種々の建築物および工作物からなっており、各建物とも環境保護の見地から地山の掘削を極力抑える基礎計画としています。
合宿所は鉄骨造としネジベース工法を採用することで基礎を軽減し、掘削量の削減を図っています。
スタンドにおいては大きく跳ね出した屋根を受ける柱を2本の鋼管とし、適切な間隔に配置することで視覚的に細く見せる効果を図っています。

設備設計主旨

周囲の自然に溶け込む建築計画にあわせ、設備機器は外部に露出しないよう計画し、寮室の空調屋外機はルーバーの裏に設置しています。
省エネ・省資源から、グラウンド散水および浴室給水、便所洗浄水等に既存から使われていた井水を利用し上水使用量の削減を図っています。また、キースイッチによる寮室の電源制御、寮室エアコンの消し忘れ防止を考慮したタイマー制御、便所照明の人感センサーによる自動点滅を行っています。
グラウンドのナイター照明は浅間山公園の自然環境への影響を勘案し、昆虫が好む波長をカットした低誘虫光源を採用しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 今里清、伊藤真一、関明子
構造設計 田中勉、新田隆雄
設備設計 角田宜彦、矢後佐和子
電気設計 角田宜彦、小林徹也
グラウンド設計 関文夫