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WORKS 2006

富山化学工業 第六研究所

用途:研究所
所在地:富山県富山市
延床面積:3,403.68m2
地上:3階

建築設計主旨

この建物は世界基準の新薬を安定的に創出する為に研究体制の確立を目的とした富山化学工業株式会社富山事業所の研究所再構築計画の第一期工事です。
全体構想は、中庭を囲む分棟形式とし、各棟とも中庭に面してコミュニケーションエリアを設け、クローズな環境が求められる実験エリアは外周部に配置する計画としました。
1階は安全性試験施設、2階は様々な試験を行う研究エリアと研究居室エリアが設けられて、それぞれのエリアは明確に区別、配置されています。
1階及び2階研究エリアは、安定した室内環境が求められるため開口部を設けない一方、2階の研究居室エリアは大開口による開放的な空間としました。外観の構成はこれら二つの対照的な室内環境が表れた立面計画と、縦動線・機械室を収めたボリュームとの組合せによる明快な構成としました。
また回遊性のある動線計画や多様なスタイルのコミュニケーションスペースなど、T-PALETによる研究員のヒアリングを反映した、快適な実験空間・執務空間を実現しました。

構造設計主旨

杭に関してはコストと施工性から高支持力を期待できる工法を選択して、柱下は全て一本打ちと計画しました。
上部構造は鉄筋コンクリート造であり、階高が高い、外壁面が打放しとなる部分が多い、等の理由から材料分離がなく、クラックの極力の少ない密実なコンクリートを打設できるようコンクリートの配合計画に注意を払いました。

設備設計主旨

1階安全性試験施設は、清浄度、室圧、気流方向、温湿度、騒音、照度等の管理基準を満足する設備にするとともに、省エネルギー、周辺環境への配慮を行うため脱臭機能付き静止型全熱交換機を採用し、冷熱源には高効率チラーを採用しました。
2階研究居室エリアは“北面の大開口による開放的な空間”を実現するため、放射エアーバリア(エアーバリアファン+放射パネル)を採用し、研究者に快適な環境を提供しています。
研究所としてのセキュリティに対しては、レベル設定を行い1次バリアには非接触カード式を2次バリア(GLP施設)にはバイオメトリックス方式(非接触式)を採用しました。
中央監視設備は将来の研究所の拡張を考慮し、WEBサーバー対応機を採用しました。

担当

大成建設担当者
建築設計 高村潔、五嶋崇
構造設計 川田雅義、宇田川公男
設備設計 後町智雄、青木敏
電気設計 鈴木秀佳

社外受賞

2007年 第20回 日経ニューオフィス賞 中部ニューオフィス奨励賞