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WORKS 2007

学校法人文際学園日本外国語専門学校6号館(目白新館)

用途:専門学校
所在地:東京都豊島区
延床面積:1,525.55m2
地下:1階/地上:3階

建築設計主旨

当建物は、未来を担う若者を育成する場である専門学校です。計画にあたってのキーワードは「堅牢」「安全」「メンテナンス」、そして授業の気配がわかる「見える教室」をコンセプトに設計しました。
中庭と開放廊下を取り囲むように教室を配置することで中に開けたパブリックな空間を創出しました。中庭と開放廊下からは授業の気配が垣間見えることができます。地下1階の中庭に面した大教室はガラスの間仕切りが全面開放することで、学園祭等のイベント時に対応が出来る機能を持たせています。
学校の「顔」となるダブルスキンファサードはJRからの騒音、温熱環境に配慮しています。ダブルスキン内はメンテナンス及び避難通路としても対応します。LED照明を設置することで夜間は幻想的なファサードを演出します。また、イベント時には多様なイルミネーションを可能としています。

構造設計主旨

日影規制による建物高さ10m以下という条件の中で、教室の天井高を確保し3階建てとするため、また、最大の有効スペースを確保するために梁型と柱型のない架構が求められました。
そこで、戸境壁とフラットスラブで構成されるボックスカルバートを基本とする架構としました。その結果、教室中央部で天井高さ2800を確保した要求空間を実現しました。最上階に計画された9mスパンの大教室は、戸境壁間にパラペットを兼ねた逆梁を配することで、一般教室と同様に梁型のない空間を実現しています。また、地震時水平力を処理するために壁柱と耐震壁をバランス良く配置し、架構の耐震性を確保しました。
中庭が計画された地下階は、教室を開放し中庭と一体空間として使用するという要求に対して、中庭側には鉛直支持のための柱のみを配置し、外周部の地下壁で地震や土圧による水平力を処理することで建築計画との整合性を図りました。

設備設計主旨

当建物は、敷地が線路沿いであり、また東面に太陽を遮る物がない立地条件の為、騒音対策、室内温熱環境の維持、及び省エネに優れたダブルスキンを採用しました。
ダブルスキン内部の温度と屋上に設置した風速計によりダブルスキンの上下に設置したガラリが自動的に開閉してダブルスキン内の温熱環境を自動制御します。     
開放性を高めた開放廊下に面した教室の窓ガラスには、ペアガラスを使用し、欄間開閉式による自然換気が出来るように配慮しています。教室の空調は教室ごとの個別空調が可能なヒートポンプ空調を採用し、また換気は全熱交換機形換気扇を設置して省エネを図りました。

担当

大成建設担当者
建築設計 近藤卓哉、毛利良平
構造設計 関清豪 西尾博人
設備設計 寺尾良雄、伊藤朋香
防災設計 武藤耕