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WORKS 2007

羽鳥湖高原レジーナの森

用途:温泉保養施設
所在地:福島県岩瀬郡天栄村
延床面積:3,316m2
地下:1階/地上:2階

建築設計主旨

敷地は、福島県白河の羽鳥湖高原、周りが山々に囲まれた地で板小屋川、湖とまさしく「自然」がそのまま残っています。
ありのままの自然の中で、都会では味わえない自然を、肌で感じることができるようにと、周辺の木々は極力残し、「木立の中に溶け込む温浴施設」をコンセプトに計画を進めました。
内部から十分自然を感じ取れるサッシレス窓、あるいは、石とガラスと木による自然素材での表現の他に、スチール黒亜鉛めっき(OMZP)を現代的ディテールにアレンジすることで「都会感」・「上質感」を演出しました。
また、敷地内の湿地園をふくめた環境学習行うなど 自然と建築とランドスケープの共生をテーマにした作品となっています。

構造設計主旨

当該施設は、浴室ゾーンとサウナゾーンからなる温浴棟、露天風呂とプールゾーンからなるプール棟、レストラン館の3棟及び温浴棟とプール棟を結ぶ橋(中廊下)で構成されています。
上部構造を鉄骨造、下部構造を鉄筋コンクリート造とし、基礎は直接基礎で凍結深度を考慮した設計をおこない、また、屋根の形状および勾配は多雪地域であることを考慮し決定しました。
浴室ゾーン(女子)建屋は、既存建屋(浴室ゾーン男子)との調和を図り、既存とほぼ同等の形状で整形ラーメンと勾配屋根フレームを組合せた構造架構としています。プールゾーン建屋は、張間方向をラーメン、桁行方向をブレース構造としています。レストラン館は、4.8m×5.0mグリットで柱を配置することにより、鉛直部材(丸柱)を細くし繊細な空間を表現しました。橋は、EXP.Jを設けて温浴棟とプール棟とは構造的には縁を切ったトラス併用ラーメン構造とし、また、支持端をピンローラーとして温度変化等に追従できるようにしました。

設備設計主旨

大規模な温浴施設として、リゾートライフを満喫できることと、安全(特にレジオネラ菌対策)に配慮した設備計画としています。既存の温泉井戸2基を利用し、「汲み上げ→貯留→加温→滅菌」の工程を経て、各浴槽へ配湯する計画としました。各浴槽には専用の濾過循環装置を設け、清掃・温度・衛生管理を容易なものとしています。上水は水源として「河川水」を浅井戸により取水し、濾過・滅菌の後、各施設へ配水しています。
寒冷地・多雪地帯であるため、暖房は主にA重油焚きの温水ボイラー+コンベクターによるセントラル暖房とし、冷房は空冷ヒートポンプパッケージとしています。一部(売店・ドームハウス等)は冷暖房ともに空冷ヒートポンプパッケージとしています。
電気設備について、広大な敷地のため、変電設備を分散配置し、電力負荷に合わせて最適設計をしています。

担当

大成建設担当者
建築設計 今里清、平井浩之、高本淳子
構造設計 田中勉、北条久子、増田和雄
設備設計 角田宜彦、岡順一
電気設計 広川淳
ランドスケープ 蕪木伸一

社外受賞

2008年 グッドデザイン賞