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WORKS 2007

大成建設技術センター本館リニューアル


改修後
改修前
用途:研究所
所在地:神奈川県横浜市戸塚区
延床面積:6,409.60m2
地下:1階/地上:4階/塔屋:1階

建築設計主旨

築28年を経過し、ハード・ソフトの両面において劣化の進んだ当社技術センター本館の再生プロジェクトです。
[ Communication ] [ Safety & Security ] [ Sustainability ] という3つのコンセプトのもと、さまざまな開発技術を導入し、増床および既存全面改修を実施しました。
新設の増床部分は、分野を超えた研究者同士の偶発的なコミュニケーションを誘発するインタラクションスペースとして施設全体をクリエイティブな研究開発環境へと進化させます。
既存躯体への負担を最小限とする高強度ダクタルAF床版、魅せる耐震補強、熱負荷を低減するコンパクトダブルスクリーンやクッション型調光天井(ETFEフィルム)、パーソナル空調システムなどの新規開発技術の導入により、安全安心の向上と環境負荷低減を図るとともに、デザインシステムの変換も試みています。時代のニーズに即したストック活用型のサステナブル建築として、建物総合環境性能評価システム(CASBEE改修)において、BEE=4.2、最上位Sランクを達成しました。

構造設計主旨

本館とこれに隣接した免震構造による附属館を有しており、両館の耐震性能を評価して技術センターにおけるBCP(事業継続計画)を策定しています。結果的に附属館に非常時に必要な機能を移動し、本館については、想定大地震時に軽微な被災に留め機能を停止しないことを、想定極大地震時には人命保護、避難動線の確保、2次災害の防止などの機能維持を目標耐震性能として補強設計を行っています。
補強方法としては、既往の補強方法(増打壁補強)に魅せる補強(縦格子補強)を組み合わせ、空間に配慮した計画としています。また、増床による既存本館への地震力負担を極力軽減するため、増床部はダクタル(超高強度繊維補強コンクリート)により軽量化を図っています。

設備設計主旨

次世代研究施設の実証モデルとして各種設備技術を適用しました。Sustainabilityというコンセプトへの従属性の大きい設備分野では環境配慮というキーワードが重要ですが今回はその中でも特にパーソナル空調システム、IP統合ネットワーク、氷水直接搬送システム技術に注力し開発を行いました。また、一方では新しい試みとしてリアルタイムエネルギー管理システムエコビルモニターを導入し環境配慮技術への取り組みを社員へ啓蒙し、一方では技術のショーケースとしての役割の一端を担っています。

担当

大成建設担当者
建築設計 芝山哲也、小林直明、関政晴、藤本鉄平、杉江夏呼、高橋洋介、小竹達也
構造設計 篠崎洋三、笹井弘雄
設備設計 加藤美好、仁志出博一
電気設計 加藤美好、三宅伸幸、小栗由美子

社外受賞

2009年 日本建築学会作品選集2009
2009年 グッドデザイン賞
2009年 第18回 BELCA賞(ベストリフォーム部門)
2010年 サステナブル建築賞 審査委員会奨励賞
2013年 第1回 空気調和・衛生工学会特別賞 リニューアル賞