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WORKS 2008

アステラス製薬つくば研究センター(御幸が丘)新棟/研究棟

用途:研究所
所在地:茨城県つくば市
延床面積:61,198m2
地下:2階/地上:6階

建築設計主旨

アステラス製薬はグローバルに展開する医療用医薬品専業の製薬会社です。
創薬研究の一層のスピード化と高品質化を図るため、

  • 欧米のメガファーマに比肩する研究所
  • 研究者のコミュニケーションを創発する研究所
  • 時代のニーズに即応するフレキシブルな研究環境
  • 安全かつ省エネルギー性能に優れた設備システム
を新棟の基本コンセプトとして創薬研究機能をつくば市へ集約しました。
つくば研究センター(御幸が丘)全体の施設構成は、研究棟(当社)、居室・厚生棟(竹中工務店)、既存棟から成ります。研究者の分野を越えた新たな発想を促すため、研究棟と居室・厚生棟を行き来する日常の動線のなかで、研究者同士のコミュニケーションを誘発する場(アトリウム、ランダムブリッジ、インターラクションコーナー)を設けています。
研究棟は研究機能毎に分かれた3棟構成となっており、これらの施設を結びつけるアトリウムは、研究者のエントランスホールとして機能する5層吹抜けのおおきな森のような空間です。森に踏み込んだ時に感じる光・風・匂い・音といったものから受ける感受性の高揚を生み出すことを意図し、新たな創造性・発想を喚起し、画期的な新薬の創造の場となることを期待しています。

構造設計主旨

大規模研究施設の特性を踏まえ、建築・設備計画と合致した架構計画を実現しました。
企業の財産である研究者や試薬・研究成果・研究施設を地震から守るため、中小地震から大地震まで効果的に働く、天然ゴム+オイルダンパーによる免震構造を採用しています。
研究室内は、フィーレンディール架構を用いたロングスパン梁によって無柱空間を実現し、室内のプランのみならず、天井内の設備配管のフレキシビリティも高め、将来の研究用途の変化にもスピーディーに対応できる計画となっています。
アトリウムでは、フラットバーとロッド材による軽快なマリオンで斜めカーテンウォールを支持し、広がりと開放感のある空間を実現しました。また空間にアクティビティを与えるランダムブリッジは、板厚16mmの鉄骨ウェブ面をそのまま仕上げ面とした、シームレスでシンプルな表現としています。

設備設計主旨

設備システムは、省エネや環境に配慮した最先端の技術を採用しています。エネルギー供給システムには、インバーターターボ冷凍機、フリークーリングを採用しているほか、スーパートップランナー変圧器やIPMモーター等の超高効率型機器、照明の昼光利用,人感センサー制御,タスクアンビエント手法の採用等により、CO2排出量の大幅な削減を図っています。
実験室にはVAV(風量可変)換気システムを採用しました。ドラフトチャンバー、フード付実験台等の風量を作業状況に応じた適切な風量に制御し省エネ運転を図ると同時に、すべての作業をドラフトチャンバーやフード付実験台で行うことができる安全な作業環境を実現し、「省エネ」と「安全性」の両立を可能にしています。また、実験室からの排気を処理する排気処理設備を備え、環境保全にも配慮しています。

担当

担当
基本計画 日揮株式会社
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
照明計画 LIGHTDESIGN INC.
ランドスケープ計画 オンサイト計画設計事務所
サイン計画・アトリウム家具 矢萩喜從郎
大成建設担当
建築設計 大原信成、五頭賢彦、宮崎伊佐央、﨏真介、 川股早苗、三橋啓史、関政晴 、高橋広直
構造設計 篠崎洋三、水谷太郎、吉川裕亮
設備設計 加藤美好、和田茂男、岸野豊、梶山隆史、岡部裕之
電気設計 小野田修二、穂苅伸博、田口英幸
実験設備 浅尾敏隆、河合啓和、川村欣也