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WORKS 2008

ウェルスペース 財団法人香川成人医学研究所

用途:診療所、健診センター、メディカルフィットネス
所在地:香川県坂出市
延床面積:1,617.01m2
地上:2階

建築設計主旨

香川県坂出市に位置する診療所・健診センター・メディカルフィットネスが一体となった移転・新築計画です。生活習慣病予防に関わる機能を1施設に集約することで医療内容の充実と受診者の利便性向上が図られており、地域医療の核となる施設を目指して計画されています。
健診センター・メディカルフィットネスからなる予防機能と診療機能である診療所を、二つのボリュームに明快に分けた構成とし、利用者にわかりやすい動線計画となっています。逆に内部はそれぞれの機能を行き来するスタッフが効率的に業務を行えるような工夫をしています。
外観はガラスカーテンウォールとRC打放しの壁面のみで表現し端正なデザインを目指すとともに、庇の役割も兼ねる門型フレーム状のデザインが、予防機能と診療機能それぞれの「顔」を建築全体として表すよう意図しています。
内部空間はシンプルで明るいデザインとしながらも、落ち着いた色彩で構成された健診センター、ガラスカーテンウォールを生かした開放感のあるメディカルフィットネス、地窓による柔らかな採光のある診療所という、それぞれの空間特性に調和したデザインとして、医療施設のイメージを一新しています。

構造設計主旨

構造は両方向とも耐震壁付ラーメン構造とし、外観の特徴である門型フレームを構造耐震要素に生かしながら 更に内部に適切に壁を配置することで、耐震安全性を確保すると同時にすっきりと簡潔な構造計画としています。
表玄関のガラスカーテンウォール面では構造躯体がよく見えるため、建物の高さバランスや収まりを配慮し逆梁にするなど梁レベルを決定しました。
基礎はGL-5.0mまで浅層地盤改良(エルマッド工法)を施した直接基礎としています。

設備設計主旨

省エネルギーと快適な空間の両立をテーマとし、設備計画を行ないました。
待合ホールの吹抜の大空間は、夏季の熱気抜きのための排気ファンにより熱負荷を除去し、居住空間を効果的に冷やしています。冬季は、循環ファンを設け上昇する暖気を窓付近に吹き降ろしコールドドラフトを防止して、患者さんの温熱環境に配慮しています。
吹抜部分の照明は、ダウンライトを2階廊下側に寄せることにより球交換が廊下から容易に行えるよう配慮しています。クリニックおよび健診センターの廊下にはルーバー型照明器具を採用しグレア低減を行なっています。放射線関係室は調光照明とし、操作室からワイヤレスリモコンで調光可能としています。また、塩害および浸水対策としてキュービクルを2階電気室内に設置しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 松村正人、井上雅仁、土屋尚人
構造設計 佐藤芳久、笹井弘雄、中島和華子
設備設計 堀雄二、河村尚美
電気設計 堀雄二、林幸広

社外受賞

2008年 香川県建築士会優良賞