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WORKS 2008

柏厚生総合病院

用途:病院
所在地:千葉県柏市
延床面積:12,318.14m2
地上:6階/塔屋:1階

建築設計主旨

千葉県柏市に位置する278床の病床を有する地域の中核病院です。地域の憩いの場である川沿いの緑豊かな敷地に、高度先進医療の機能充実と療養環境の整備を柱に移転新築を行いました。機能性・快適性・将来性・経済性の4つの性能の融合と充実をコンセプトに全体を構築しています。
総合待合ホールは、外部環境を有機的に取り込んだ2層吹抜の開放的な空間とし、利用者に癒しの環境を提供しています。特に、外来診療部門は、「わかりやすい・迷わない病院」づくりを実現するため、機能的な部門構成、ウェイファインディングシステムによる明快なサイン計画を採用しています。病棟は、2つの光庭と病棟中央の外部に開かれたデイルームを計画することで自然採光と通風を取り込み、治癒効果をめざした快適な療養環境を実現しています。周辺環境との調和・共生、患者さんに選ばれる病院、スタッフが働きやすい環境を追及した次世代型の病院がここに誕生しました。

構造設計主旨

本建物には基礎免震構造を採用し、地域の中核病院にふさわしい災害に強い病院としました。免震方式は、積層ゴム支承と弾性すべり支承を組み合わせた当社保有技術の「ハイブリッドTASS構法」を採用し、建物への入力地震動を大幅に低減する計画としました。
また、8.85m×8.5mのロングスパンの採用は、将来の医療ニーズの変化に対してフレキシブルな対応を可能にするとともに、免震装置と杭の数を抑えられる結果にもつながり、コストパフォーマンスの高い建物を実現しています。
杭には高支持力既製コンクリート杭を用い、杭頭接合部を半剛接合とした「F.T.Pile構法」を採用しました。地震時の杭頭曲げモーメントが低減され、杭基礎の耐震性能を向上させるとともに、基礎工事を合理化しています。

設備設計主旨

省エネルギーと快適な療養空間の両立をテーマとし、設備計画をおこないました。
総合待合ホールの2層吹抜の大空間は、夏季の熱気抜きのための排気ファンにより窓面からの熱負荷を除去し、居住空間を効果的に空調するシステムを導入しています。冬季は、窓下に配置した電気式パネルヒーターによる放射暖房を行い、待合のコールドドラフトを防止して、患者さんの温熱環境に配慮しています。
病棟における廊下照明は、ベッド搬送の際の患者様のまぶしさを低減するために、ダウンライトを片側によせる配置としました。また、ガラスアクセサリー付のダウンライトを病室側に配置し、夜間時の照度を抑えた照明計画とともに、廊下空間に安らぎを与えています。病室内照明は、高効率・長寿命蛍光ランプを使用し、ランプ交換サイクルを延ばして省エネルギーに配慮しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 松村正人、岡本憲文、倉石敏子
構造設計 佐藤芳久、鈴木太一郎
設備設計 龍英夫、長徹
電気設計 森義明