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WORKS 2008

明星大学日野校28号館

用途:大学
所在地:東京都日野市
延床面積:40,041.51m2
地上:9階 / 地下:2階

建築設計主旨

明星大学では、日野キャンパスの再開発計画に従い、2007年春に27号館、28号館、29号館、30号館とそれらの付属棟が完成しました。その中で28号館は最大の床面積を有し、新図書館、新学生食堂、多数の講義室、文系学部の演習室から構成された複合施設です。
実施設計にあたっては、基本設計を踏襲しつつも、「人々の交流を生み出す空間づくり」、「機能的・魅力的な施設づくり」をコンセプトに、外観・動線・食堂・広場デザイン、アトリウムや図書館のインテリアデザイン等で様々な提案を行っています。
例えば、動線の要となる人工地盤の広場に、新たに滝や多くの植栽・ベンチを設け、学生達が溜まり交流できるよう配慮したり、2層構成の学生食堂の建物のボリュームを変更し、新たに吹抜けを設け、上下階の交流を促す仕組みを作り、更に新正門からのアングルも考慮する等しています。

構造設計主旨

当建物は、平面が約160m×70mの低層部(1~3層)と98m×22mの高層部(10層)で構成され、下層でこれらが接続しますが、接続の大部分が地下階であるためEXP.Jで分離せずに一体構造で設計しました。
敷地の12mの段差による高層部背面からの大きな片土圧の処理が設計のポイントでしたが、土圧を高層部地下2層に設けた大型耐震壁で負担し、直下の大径場所打ち杭で処理することで低層部に常時の水平力が加わらぬように対処しました。
各部の設計では、低層部は耐震壁付きRC造として大教室等にはC.S.Beam構法(端部RC・中央Sの複合構造梁)を採用し合理的な架構としています。高層部は柱SRC造とし、短辺方向を大断面S梁による22mの1スパン架構として地震力を両妻の耐震壁で負担させ、長辺方向は梁もSRC造のラーメン架構とし、とくに柱は偏平断面を採用することにより、無柱の室内空間を最大限に確保し、各教室の自由なレイアウトを可能としました。

設備設計主旨

当建物の中心に位置する3層吹抜アトリウムは、日射遮蔽ガラスと水平ルーバーを設置し日射制御と熱負荷低減を図ると共に、室内外の温湿度条件により上部窓を自動的に開閉し自然換気を促すことにより省エネルギーを図り、建築計画と設備技術が融合された空間となっています。
また屋根面の雨水を地下ピットに集水し便所洗浄水などに利用することにより、水資源の有効利用を図っています。図書館の2層吹抜閲覧スペースには全面床吹出し空調システムを採用し、省エネルギーと快適性を両立しています。4階屋根面には太陽光発電設備を設置し、自然エネルギーの有効利用を図っています。

担当

担当
基本設計 KAJIMA DESIGN
実施設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 増田裕康、保久原功、北村浩
構造設計 勝田庄二、大橋智樹、佐伯正尚
設備設計 笹島修二、宮本敬介
電気設計 笹島修二、塚田文哉
ランドスケープ 蕪木伸一、藤澤亜子