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WORKS 2008

アパートメンツ西麻布霞町

用途:集合住宅
所在地:東京都港区
延床面積:1,836.47m2
地下:1階/地上:5階

建築設計主旨

敷地は、六本木通り沿いの都市的な建築群から路地裏の住宅地へと向かう細街路に面した狭小地であり、土地や建築の規模が細分化されていく街並みのコンテクストが読み取れる場所です。その中で事業的に成立する最大限のボリュームを計画しました。
ファサードは白を基調とした端正な構えとし、路地的な街並みに調和したスケールにボリュームを分節しています。 分節部は開口部とし、壁式構造のシャープさを表現しながら全体を白い外皮に包み込むように整理し、集合住宅の集積密度を不可視化しました。
前面道路側の外構は積極的に街並みへと開放し、近隣環境に配慮しています。
自然光の入るエントランスの吹抜や中庭の見える共用廊下を中心とした住戸構成とし、フラットタイプやメゾネットタイプなどの他、床面積以上の広がりを感じられるようにルーフテラスやインナーテラスを計画し、バリエーション豊かで魅力ある21戸の住宅空間を計画しました。

構造設計主旨

構造形式は鉄筋コンクリートの壁式構造としています。壁式構造を採用することで、強固な耐震性能を発揮するのと同時に、柱型・梁型のない整形な居室空間を実現しました。
住戸内の床スラブは厚さ230~250mmとしており、十分な遮音性能と、広い住空間を実現しています。
前面道路側は壁とスリット状の開口から構成され、壁式構造のシャープさを表現したファサードとしています。外壁面のひび割れ対策として、骨材にひび割れ抑制効果のある石灰石を使用し、さらに躯体表面にはグラスファイバーネットを併用して、ひび割れ防止にも考慮しています。
基礎構造はGL‐23mの砂礫層を支持層とする、杭基礎(場所打ち杭)とし、上部構造を堅牢に支持しています。

設備設計主旨

本建物はオール電化の為、給湯は電気温水器、浴室乾燥換気扇も電気式となっています。
賃貸共同住宅仕様で照明器具、空調機は全て実装しており、入居後すぐに生活できる仕様となっています。電気温水器については、深夜電力型を採用し、ランニングコストの削減を図っています。
階高が厳しい中で、設備の納まり検討を十分に行い、快適な居住空間を確保しました。メーターボックスも最小限の大きさとする為、2、3戸で1箇所にまとめることにより専有面積の確保に貢献しました。また給水ポンプにおいても、パネル型の増圧給水ポンプを採用し、設置スペースの軽減に努めています。
共用廊下に面しては吹抜があり、昼間は自然光を利用した省エネを行い、夜間は人工照明で空間の演出を行っています。

担当

大成建設担当者
建築設計東宮英明、渡邉智介
構造設計 小田切智明、中島崇裕
設備設計 秋野陽一郎、上村透
電気設計 秋野陽一郎、中井信雄

社外受賞

2009年 グッドデザイン賞