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WORKS 2008

大成建設設計本部オフィスリニューアル

用途:事務所
所在地:東京都新宿区
延床面積:600m2 (リニューアル対象範囲)

建築設計主旨

新宿センタービルにある当社設計本部のオフィスリニューアルです。
リニューアル前のレイアウトは20年近く前に計画されたものであり、計画時以降、個人作業からグループ作業重視へ、階層型からフラットな組織へ、というオフィスを取巻く様々な状況が大きく変化し、多様なワークスタイルを許容する執務環境が求められていました。
そこで、設計者の生産性向上を目的として掲げた新たなオフィスのコンセプトは、「人とモノのモバイル化」です。
約100名がフリーアドレスで使用するオープンな執務空間に、多人数で共用する数種類のテーブルと収納家具をレイアウトし、これまでの固定席オフィスとは一線を画した新しいタイプのオフィスへと変貌を遂げました。
コミュニケーションの活性化と作業効率の向上を同時に実現するために、フロアは3種類のワークプレイスで構成されています。ワークプレイスを形成するテーブルデザインについても、設計者の作業性とコミュニケーションに留意しています。緩やかな曲線を持つ非対称なテーブル形状は、着座位置や作業スペースの自由度を高め、同時に設計者同士のコミュニケーションを活性化します。また、可動テーブルを組み合わせることで、多様な業務にフレキシブルに対応します。

構造設計主旨

高さが200mを超える既存超高層ビルでは、国内初の長周期地震動対策(T-RESPO構法)を行いました。
長周期地震動とは、地震発生時に、ゆっくりとした長い周期の揺れが、遠方に伝わる現象のことです。震源地から離れた超高層ビルでも、ビル固有の振動と長周期地震動が共振し、大きく揺れる場合があります。
T-RESPO構法は、オイルダンパーが地震エネルギーを吸収することにより、地震時の建物の揺れを小さく抑えることができます。また、特殊なオイルダンパーを用いていますので、従来構法では必要であった既存の柱・梁・基礎の補強をする必要がありません。工事は溶接を使わない緊張材による圧着工法ですので、建物を使用しながらの工事が可能です。
新宿センタービルでは事業継続性の確保を目的として、オイルダンパーを288台設置しており、リニューアルしたフロアではアクリルカバーとし、実際の内部構造を確認することができます。

設備設計主旨

高効率照明器具のアレンジデザインもオフィス環境のバリューアップに寄与しています。
リニューアルとして採用したWエコ照明器具を、二灯連結型の形状として一体化することにより照明効率を向上させました。また、中央部のルーバーデザインと反射板の塗装を改良することにより、不快グレアをカットしたマイルドな光環境へと改善しました。
その結果、大幅な省エネ(37%削減)と照度アップを同時に実現し、デザイン性も兼ね備えた今後のテナントベース照明としての展開を期待できる実例となっています。

担当

大成建設担当者
総括 浮貝高敏
建築設計 坂口秋一、横山恭太、国保潤、藤原稔、花村明秀、渡邉智介、中根健
構造設計 木村雄一、青野英志
電気設計 木下清一

社外受賞

2009年 グッドデザイン賞