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WORKS 2009

アゼリアヒルズ

用途:事務所
所在地:宮城県仙台市宮城野区
延床面積:30,310.19m2
地下:1階/地上:19階/塔屋:1階

建築設計主旨

JR仙台駅東口から徒歩5分にそびえるアゼリアヒルズは、SPC事業によるテナントオフィスビルです。
仙台市総合設計制度を活用し、容積率割り増しを当時では民間として最大の155%確保しました。
仙台は、七夕や仙台箪笥、こけしで見られるような、彫りのデザインを持つ文化・伝統があります。
アゼリアヒルズは、この仙台の文化・伝統を象徴する「HORI(彫り)」をコンセプトとし、それを形態化することで、人々に親しまれ、街と調和する建物なるように設計しています。開放感で表現され、ガラスを主とし、時代の流行を感じさせるミニマリズムの現代建築。重厚感で表現され、石や鉄を主とし、ロングライフデザインの近代建築。双方の良い部分を融合させ時代に左右されない建築としています。
具体的には、層間区画部分に重量感のあるC字型PC版を設け、事務所部分はガラスの箱で覆う特徴あるデザインとしています。給排気スリットをC字型PC版の奥に設けることで、目立たせなくするだけでなく、雪や雨対策にも寄与しています。このPC版にアルミカーテンウォールの上下枠を打ち込み風圧をPC版に伝達することで、見付25mm、奥行き125mmのバックマリオンを可能としました。これだけでなく、アルミカーテンウォールの下部には、自然換気パネル・落雪パネルを設けています。
このように様々な工夫・特徴あるデザインによりJR東口の新しい顔(ランドマーク)として長く愛される建物を設計しました。

構造設計主旨

より安全なオフィスをコンセプトに設計したアゼリアヒルズは、優れた耐震性能、耐火性能をもつCFT柱(充填鋼管コンクリート柱)を採用しています。
フレーム短辺方向に制震ブレースを組み込むことにより、地震エネルギーの約30%を吸収する制震構造としています。また、大地震時に柱と梁の溶接部における脆性的な破壊を防ぐため、梁端部のフランジ幅を広げるフランジ拡幅工法を採用しています。
基礎は、N値60以上の強固な凝灰岩層が地表から約5~8m付近にある仙台特有の地層を考慮し、直接基礎としました。

設備設計主旨

より使いやすいテナントオフィスを目指し様々な取り組みをしています。
ルーバー付グリッドシステム天井の採用によりレイアウトの自由度が高まりだけでなく、テナント工事のコスト削減に寄与しています。また、電動ブラインドの導入とも相まって、自動調光制御により省エネルギーと快適性を実現しました。フロアコンセント容量は、60VA/m2とゆとりある容量を確保しています。電力供給は、本線・予備線の2回線受電を採用により、本線停電時のすばやい電力復旧を可能としました。
高層階25ゾーン、低層階24ゾーンごとに、ON/OFFの切り替え、温度制御が可能な個別空調システムとなっています。室内に設置されている空調パネルから、24時間コントロールすることができます。また、増設空調のために、室外機増設スペースをフロア毎に設けています。コールドドラフトを考慮し、北側床面にOAフロアヒーターを施設しています。各スパンにフレッシュエア導入パネルを設置し、中間期の自然換気を可能にしました。
また、日本発のフリーアドレス式マルチエレベーターパーキング384台を設置しています。

担当

大成建設担当者
総括 河野晴彦
建築設計 尾島寛和、土井健史
構造設計 田中勉、新田隆、小林治男
設備設計 高木健、久保田宗人
電気設計 高木健、加藤文都

社外受賞

2010年 グッドデザイン賞