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WORKS 2009

荏原実業 環境計測技術センター

用途:研究所
所在地:神奈川県川崎市麻生区
延床面積:1,131.09m2
地上:3階

建築設計主旨

クライアントの荏原実業は、主に独自の環境関連製品を製造・販売する企業です。
当計画は、2005年に当社の設計施工で建設した中央研究所の隣地に、武蔵小杉にある既存建物からオゾン計測器担当部門を移転するというものです。
クライアントからは「中央研究所を担当したメンバーで、同様のコンセプトの建物を」と要望をいただき、プロジェクトがスタートしました。

環境保全ビジネスのリーディングカンパニーを目指す
企業方針を体現するため、また中央研究所と今回建物の2棟が一体となった景観を創出するよう、真っ白なBOXの外側を有孔折板で覆いました。有孔折板は、東面に位置するガラスカーテンウォールに囲われた階段空間を日射から守ります。外側からは「オブラートに包まれたBOX」のように見えるよう、内側からは適度な遮蔽で閉塞感のないVIEWを実現できるよう工夫しました。

構造設計主旨

中央部に柱を設けない14mの大スパン純ラーメン構造とし、将来の研究内容変更に伴うレイアウト変更に容易に対応出来るようにしました。大スパンの柱は500角、妻側の柱は350角とし、建物内で最も解放的な階段空間の妨げにならないようにしました。屋内階段の間柱配置も、視界の妨げとならないように工夫しました。
柱脚は既製露出柱脚ベースパックを用い、杭は中央研究所と同様、既成杭を用いており杭頭はFTPileを採用しています。

設備設計主旨

環境関連製品を製造する企業であることを考慮し、特に環境に配慮した設備項目について重点的に提案を行いました。
研究の過程で定常的に流し続けていた実験装置用の冷却水を再利用するシステムを採用し、便所洗浄水として再利用しています。
人感センサによる空調機発停制御・照明点滅制御、昼光センサによる照明の照度自動調整機能等を各室の使い勝手に合わせ導入しています。
省エネを推進するための「見える化」を図りました。普段業務に使っている手元のパソコンで、各室の電気使用量をグラフ表示で確認でき、また照明の点灯状況を監視操作ができるシステムを採用しました。外部には太陽電池風力発電一体型外灯を設置しました。

担当

大成建設担当者
建築設計 松本哲弥、伊勢季彦、杉江夏呼
構造設計 西川泰弘、小山智子
設備設計 熊谷智夫、豊原範之、新谷昌代
電気設計 熊谷智夫、三谷正志