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WORKS 2009

長谷川香料総合研究棟

所在地:神奈川県川崎市
延床面積:9,232m2
地下:1階/地上:6階

建築設計主旨

長谷川香料はフレーバー(食品系香料)とフレグランス(非食品系香料)を扱う総合香料メーカーで、この建物はこれまで分散していた技術研究所とフレーバー研究所、フレグランス研究所が入る総合研究棟です。
3部門が一体となることで部門を越えた交流を深め、情報を共有することで新たな価値創造の場としてコミュニケーションアトリウム、インタラクションスペースを建物の中央に配置しました。
また、この研究棟自体が長谷川香料の広告塔となるために来訪者を劇的な空間構成のエントランスホールで迎え入れ、印象に残る建物を演出するとともに、最上階にテラスを付設した眺望の良いプレゼンテーションルームを計画し、顧客とのコミュニケーションの場としています。
フレキシビリティのある研究空間を実現する為のフラットRC構造、メンテナンス性、更新性を高めるメカニカルウォールといったシステムを導入し、それぞれのシステムが設備システムと一体化することでより合理的で、使い易い調香環境を実現しています。

構造設計主旨

ハーフプレキャストプレストレス梁を採用することで梁成を抑えると同時に、中柱を板状、外柱を設備シャフトと一体化したコの字型の柱とすることで、研究空間から構造部材による凹凸を無くし、フレキシビリティのある空間を実現しています。板状の中柱には実験機器の分電盤を埋め込む開口を設けており、また、コの字型の外柱はメカニカルウォールの構成要素となっています。意匠・構造・設備が融合一体となった架構計画になっています。
積層ゴム支承とオイルダンパーを組合せた免震システムを採用することで、中小地震から大地震に至るまで揺れを効果的に低減し、研究所に適した、優れた耐震安全性を確保しています。

設備設計主旨

本研究施設は、香りの用途や研究内容別に3つの部門から構成されており、各部門を階層毎に配置する計画としていますが、各部門の研究で発生する香りが縦動線や縦シャフトを通じて他部門に拡散しないように、各階のコア動線部に気圧を高く設定したエアーロック室を設けて、各フロアでの香りの封じ込めを行いました。更に、各階の廊下も各研究室に対して気圧を高く設定することで、各々の研究室間の香りが廊下を通じて混入しないようにも配慮しました。
また、施設の中核機能の一つである調合室は、まさしく香りを創出する空間であるため、調合作業で発生する香りを周辺に拡散させることなく、隣接した調合台間でも良好な研究環境を得ることが出来る調合台局所排気システムを開発・導入しました。
施設からの排気は屋上の処理設備で無臭化して排気することにより、近隣へも配慮しています。

担当

大成建設担当者
統括 芝山哲也
建築設計 杉江大典、新井健太、伊原慶
構造設計 篠崎洋三、一色裕二、新谷耕平、水谷太朗
設備設計 三宅伸幸、藤村淳一
電気設計 三宅伸幸、岩内正巳
シミュレーション 横井睦己