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WORKS 2009

ヒューリック八王子ビル

用途:事務所
所在地:東京都八王子市
延床面積:5,152m2
地下:2階/地上:6階

建築設計主旨

計画地は八王子市横山町の甲州街道に面した立地で、1階から6階まで銀行(一部に不動産販売)が入店するテナントビルです。外装はPC板タイル打込みで黒色基調とし、銀行建物としての重厚感と高級感を持ち合わせた表現としました。
市街地でありながらも、南面が道路に面した採光の得られる立地を活かして、アルミカーテンウォールのガラスとガラスの間に太陽光発電モジュールを挟み込んだ建材一体型パネルをファサードに採用しています。屋上緑化と合わせて、事業主のコーポレートスローガンである環境に取り組む姿勢を社会にアピールすることが目的のひとつですが、画一的なカーテンウォールの表情にはない新しいファサードのあり方のひとつと考えます。
発電量は約10kW/hであり、おおよそ共用部の照明電力を補える程度の性能を備え、CO2排出量で年間約2.2tの削減貢献が見込まれています。これは約6000m2の森林(杉の木換算で約154本分)が1年間に吸収するCO2量に相当します。
駐車場は北側道路を挟んだ同事業主敷地に隔地駐車場を設けました。これにより各階貸室を最大限広く確保することができており、地下も必要最小限の計画になっています。

構造設計主旨

基礎構造は、強度が高く安定した地盤に支持される直接基礎としました。
上部構造は、貸室部分の中間に柱の無い18.4mスパンの鉄骨ラーメン構造とし、金庫の想定範囲には10kN/m2の積載荷重を見込みました。1階柱の柱脚には、耐震性と施工性に優れた露出型固定柱脚工法を採用しました。南面のファサードは、片持ち梁により床とカーテンウォールを支持することで、構造体の存在を極力目立たないようにしました。
耐震性能は、大地震後も構造体には直ちに補強・補修を要せず小規模な修復によりほぼ完全に当初の機能が回復されるレベルとし、一般の建物よりも高いレベルを目指しました。

設備設計主旨

銀行の場合、照明・コンセントの負荷が一般の事務所ビルに比べ大きくなるため、ランニングコストを抑える設備計画としました。
空調方式は、空冷ヒートポンプマルチエアコンで、個別制御可能なシステムとしています。また、執務室の一部に氷蓄熱マルチエアコン採用し、社員食堂用厨房も電化厨房とすることで、オール電化割引を受けています。
事務室照明は初期照度補正、トイレ照明は人感センサーによる制御にて省エネを計っています。
事務室部の警備連動により、共用部照明の制御、エレベータのフロアーカット、階段扉の施錠制御をおこなっています。又共用部要所に監視カメラを設置し、セキュリティの強化を計っています。

担当

大成建設担当者
建築設計 井深誠、渡辺岳彦
構造設計 田中勉、増田和雄
設備設計 高木健、山下盛久
電気設計 高木健、武藤耕