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WORKS 2009

セガサミーホールディングス八王子野球場

用途:スポーツ練習場、寄宿舎
所在地:東京都八王子市
延床面積:2,272.8m2
地上:2階 

建築設計主旨

セガサミーホールディングス野球部は、2005年に誕生した社会人の野球部です。発足以来、毎年8月に東京ドームで行われる全国都市対抗野球大会の東京都の代表として、2007年以来3年連続で出場している強豪チームです。
2009年8月、八王子の戸吹町にホームグランドとしてセンター方向120mのグランドと100人が観戦できるスタンド・クラブハウス・24室の寮・室内練習場が完成しました。
豊かな自然の中で、地域に根ざし、かつ、都市対抗野球で常に優勝を目指す球団の建物を設計する上で、八王子の小高い丘に自然と調和する「勇者の丘」を築くことを設計理念に掲げました。
斜面の中腹に計画されたたクラブハウスは、25本のコンクリートの列柱と21本の木列柱が、85.4mにわたって連なり、自然の景観の中で陰影のある力強い表現を行っています。この様な表現は、昔、侍が「昇り旗」をひるがえし、風(自然)になびかせながら、領域を築いた「陣地」(領域)を示す表現に似ています。上昇を目的とした野球部のエネルギーと地域環境との融合を表現した作品です。

構造設計主旨

クラブハウス棟の構造は、全体としては耐力壁を充分配置し、全体の剛性および耐力を確保する計画としていますが、建物正面側(北側)については、建築意匠上のファサードのデザインに合わせ、壁柱・偏平梁によりスレンダーなフレーム構成としています。
最上階の梁は、屋根スラブ位置には設けず、建物上部に浮遊した偏平梁とし、建物正面側のファサードをより効果的に印象付けています。

設備設計主旨

設備機器は敷地屋外の機器置場に集中設置とし屋上に機器は載せない計画としました。そのため、伸びやかな屋根スラブのすっきりととした形態を阻害しない計画になっています。
空調は、電気式空冷ヒートポンプマルチエアコン方式で、室用途・方位毎に系統分けを行い個別制御可能なシステムとしています。厨房、浴室の給湯熱源はプロパンガスとし各々ガス給湯器を設置、浴槽系統には全自動ろ過装置を設置しています。空調・換気の吸気と排気口は、クラブハウスの坪庭とテラスに集中しており、ガラリ・ベントキャップが外壁に取り付けない計画になっています。
受変電方式は高圧6.6kV 1回線受電で、敷地屋外にキュービクルを設置しています。共用部照明はダウンライト主体で、建築デザインに合わせた照明計画としています。各寮室は2人部屋に対応したコンセント、テレビアウトレット等を設置しています。

担当

大成建設担当者
統括 芝山哲也
建築設計 川野久雄
構造設計 篠崎洋三、島村高平
設備設計 高木健、矢後佐和子
電気設計 高木健、小林徹也

社外受賞

2010年 グッドデザイン賞