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WORKS 2011

パークテラスイーリス

用途:集合住宅
所在地:東京都江戸川区
延床面積:2,070.95m2
地上:6階

建築設計主旨

本建物は、新左近川マリーナに面する良好な住環境に位置しています。
敷地南側の魅力的な眺望と採光が期待できたため、バルコニーは奥行きを最大限確保し、梁型や柱型、樋等を計画上隠蔽しており、眺望に向かって広がる屋外のリビングテラスとして物理的な面積以上の開放感を創出しています。
全ての住宅にテーマ性の有る+αの空間を提案し、フリースペースやDEN、大きな玄関等通常のnLDKには拘らない間取り計画としています。
エントランスは半外部空間とし、外部空間と一体となった開放的な共用空間を演出しています。
マリーナに呼応するようなデッキ空間とし、壁はRC打ち放し等のシンプルな素材を選択し、エントランスホールとして端整でミニマムな空間を目指しています。
正面には子どもやペットの足洗い場を象徴的にデザインしたベンチを設け、アプローチのアイストップとしています。
中庭や坪庭に面した憩いのベンチの他、屋上にプレミアムテラスやプライベートテラスを設け、共用廊下も十分な広さとアルコーブを計画しています。
集まって住む集合住宅ならではのコモンスペースとしての魅力が演出できるようにしています。

「KILIKO」
中庭には江戸切子の職人が作成したプリズムガラスのアートを配しています。
これは光学的な検討とデザインにより虹を創り出す装置です。
太陽の光やLED照明の光を建物の名称となったイーリス(虹)として反射させ、小さな子どもたちの遊び場として予想される共用空間に、細やかな「発見」を演出しています。

構造設計主旨

中央に大きな中庭と吹抜けを計画したため、建築ボリュームは2つに分節されました。
2つのボリュームをブリッジ状の共用廊下や階段で繋ぎ、一体化した平面計画を演出しています。
通常であれば2つの建物ボリュームをエキスパンション・ジョイントで分節する手法となりますが、今回は2つの建物の間のブリッジを柱を寝かせたような構造形式で強固につなぐことによってエキスパンション・ジョイントを設けず、一体的な建物構成とすることで、建築としてはより端整な佇まいとなっています。

また、日影規制の影響により、階高も十分にはとれない中、南側バルコニーの梁を扁平圧縮し、バルコニーのスラブと統合することで、ハイサッシを実現し、柱型も台形とすることで、室内から外側へ向かって広がる、明るく開放的なリビングテラス空間としています。

設備設計主旨

建築全体を白熱色に統一した照明や建築デザインに合わせた器具、共用部各所に工夫された建築化照明により、建築と照明の一体感を図っています。
共用部は照明点滅区分の細分化およびLED照明器具を採用することで、省エネ化に配慮しながら外構・中庭の夜間演出を行っています。
また、ノンタッチキーによるオートロック機能や共用部に設置された防犯カメラにより居住者への防犯性を高めています。

給水は増圧給水方式にて供給しています。
浴室には24時間換気機能付きの浴室暖房乾燥機を設置し、シックハウス対策や浴室の環境の向上をはかっています。
また、屋外に設置の設備機器には塩害対策を施し耐久性を向上させています。

担当

大成建設担当者
建築設計 黒岩光浩、渡邉智介、宮崎朋子
構造設計 服部敦志、尾崎功
設備設計 吉永寛、久保田祥彰、川崎賢哉
電気設計 古宇田真一、上桐理佳
プリズム計画 横井睦己、小林光、野口智子、菅原圭子