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WORKS 2011

武蔵野大学有明キャンパス

用途:大学
所在地:東京都江東区
延床面積:26,157.65m2
地下:1階/地上:13階

建築設計主旨

まちづくりの拠点として計画された大学キャンパスです。
大学施設において地域との連携・協働に利用可能な機能を抽出し、低層部に集約化しています。
イベントホール、カフェ、フードコート、メディアラウンジ、ライブラリー、ホール、公開講座教室などの諸室が地上やメインエントランスとなる2階のデッキからアクセス可能な低層部に配置されています。
これらは地域住民や企業とのコミュニケーションの場となるとともに、そこで のアクティビティーを発信することでまちづくりの拠点となることが意図されています。
次に外観上、武蔵野大学有明キャンパスを象徴付けているのが低層部のアーチ空間です。地域開放施設はこのアーチにより内包される構成としています。
巨大スケールな臨海副都心においてヒューマンスケールなアーチによる親しみのある形態は、人の集まるイメージを付加し、まちづくりの拠点機能を補完しています。
さらに、それはおよそ90年の歴史を持つ大学の臨海副都心におけるアイデンティティーの表現ともなっています。

構造設計主旨

キャンパス内には地上13階の1号館、5階の2号館、3階の3号館の3つの棟が計画されました。
このうち1号館をキャンパスの中枢施設として免震化しています。
6階以下の講義室と7階以上の研究室という用途により異なる柱割を軸力伝達壁により実現しています。
さらに1号館の柱梁のスリム化によって2・3号館と同一の低層部のアーチの構成や上部の列柱形式によるデザインの統一を実現しています。
その他、1号館の免震装置を3.6m柱スパンの中央に配置するなど集約化、低層棟では18mスパンの梁にCSBの採用など、建設を合理化する工夫を随所に取り入れるなど、サスティナブルな建築の実現に寄与しています。

設備設計主旨

有明地区のインフラは全て共同溝からの供給となっています。
これらを利用し、地域冷暖房、下水再生水の利用や400V配電の実施による建物スケールを生かした省エネ計画としています。
また、受水槽や地冷熱交換器等空調熱源などは高層棟に敷地全体分を設置していますが、将来的な増築を視野に入れたサスティナブルな計画としています。
さらに、空調計画においては多数の講義室や研究室で構成される建物であることから、外調機+ファンコイル方式を基本とした利用形態・方位に応じたゾーニングを行うとともに、昼光センサーや人感センサーによる照明制御、風力発電、太陽光発電、全熱交換器などを採用し、建築計画における日射制御庇やライトシェルフ、Low-Eペアガラス、屋上緑化、ビオトープ、ゴミ搬送設備などによる環境配慮計画に連携した計画としています。
また、大空間であるフードコートの空調は、冷房・暖房時で吸込み位置を変えることで気流分布を切り替えることのできるシステムを導入し、空調効率を向上しています。

担当

担当
基本設計 株式会社日建設計
実施設計・監理 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 小笠原祥仲、上甲孝、中川雄一朗、西尾吉貴、下平将也、齋藤洋平
構造設計 西川泰弘、井上慶一郎、古賀威信、小山智子、要知市郎
設備設計 熊谷智夫、嵐城太郎、平井宏幸
電気設計 熊谷智夫、山中康弘
ランドスケープ 蕪木伸一、小池亘、木川薫、加瀬泰郎
施設計画 増山格、近藤眞道