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WORKS 2011

テラスモール湘南

用途:ショッピングセンター、診療所、映画館
所在地:神奈川県藤沢市
延床面積:164,175.79m2
地上:6階

建築設計主旨

本計画は、JR東海道線辻堂駅前再開発「湘南C-X」の中核となる大型ショッピングセンターです。
辻堂駅北口直結の敷地に位置しており、首都圏での駅前開発としては稀有な良好な商業立地となります
これまでの駅前開発にあるような箱物の形状ではなく、地域住民にとってのコミュニティスペースとなりうる開かれた施設となるよう考慮しています。

具体的には、湘南の地形、風土を意識した「相模湾から北側の藤沢の丘陵地域に上っていく」段丘状のテラスを広場側に向かって構成し、歩行者に対する圧迫感を抑え、街のスケールになじむボリューム感を演出しています。
各層毎にテラスでのアクティビティにテーマを持たせ、集い、談笑し、食事をするといった人の動きそして賑わいのシーンを「見る、見られる」の関係がお互いに感じられる環境や雰囲気が演出できるよう計画しています。

また、駅前の広場空間(ゲートスクエア)から北に伸びるスペースには独立型の小割りの店舗を配した「湘南ヴィレッジ」と「ランブリングストリート」(そぞろ歩きができ、歩く楽しみ、人のスケールに合うヒューマンタッチを形成)を配置しています。

利用客が自分の家にいるのと同じようにくつろぎ、ここに新たなコミュニティが生まれ、本当の意味での「ライフスタイルセンター(米国西海岸で主流となっている商業スタイル)」となることを期待しています。

構造設計主旨

X・Y両方向ともに100%ブレース構造とし、耐震要素であるブレース架構とその他の大梁ピン接合架構とを明確に分離することで、鉄骨数量削減だけでなく納まりも簡略化し経済性を追及した架構計画としています。

南北270mの平面形状ですがエキスパンションジョイントは設けず、工事中のひび割れ対策としては、収縮緩衝帯を約100m間隔で2箇所設け、その部分のコンクリートを中間期に打設することで乾燥収縮・温度応力による床スラブのひび割れ対策としました。
竣工後の温度変化による建屋の伸び縮みについては、ブレースが利いて有害な変形とならないことを解析で確認しています。

1階床は土間コンクリートとしていますが、長期的なひび割れ抑制対策として、石灰石骨材を使用し、床下に地盤改良を施していています。また、土間コンクリートの面内せん断抵抗力により地震力を杭に均一に伝達できる計画としています。

設備設計主旨

自然豊かな湘南の地の、新しいライフスタイルセンターに相応しい、環境負荷低減アイテムや省エネルギー技術を多数採用しています。
モールはハイサイドライトからの自然光を利用しつつ、照明はLED器具を多用し高効率器具の使用と合わせて省エネルギーを図っています。
屋上には10KWの太陽光発電、外部の駐輪場には風力発電設備を設置して自然エネルギーの積極的な利用を図り、環境負荷に配慮した商業施設を目指しています。

空調熱源には、夜間の電力を使って製氷し昼間の電力使用量を抑制できる「氷蓄熱方式」を採用しています。
また、「ライフスタイルセンター」として多様化する営業形態や負荷変動に追従できるよう、インバータ制御の冷凍機を組み合わせて省エネルギーを図っています。
店内の炭酸ガス濃度を計測して、来店客数が少ない時は外気導入量を抑えるCO2制御の導入や、トイレ洗浄水・植栽潅水の一部には井水を利用するなど、運営費用の低減を図っています。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
基本構想 株式会社日建設計
環境設計 株式会社船場
大成建設担当者
総括 網干和
建築設計 中澤織行、渡辺健吾、田中英輔、大石悠平
構造設計 小林祥一、藤永直樹、末木達也、安川真知子
設備設計 廣川純一、中砂克郎
電気設計 廣川純一、木下清一

社外受賞

2012年 ふじさわ景観まちづくり賞
(景観部門 建築物の部)
2013年 第5回 神奈川県バリアフリー街づくり賞 ハード部門
2013年 第57回 神奈川建築コンクール 一般建築物部門 優秀賞