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WORKS 2012

横浜白楽レジデンス

用途:集合住宅
所在地:神奈川県横浜市
延床面積:6,649.35m2
地上:6階

建築設計主旨

横浜を望む閑静な丘上に誕生した、大成建設グループが企画から設計・施工・販売・管理にいたるまでの全てを担う大成ブランドマンションです。

空と一体となるために
住戸は柱・梁型の出ないTWFS構造が実現する明るく開放的なワイド&ハイサッシ形状とし、下がり天井のないフラットな居室を実現しています。
さらに、連続した壁配置と敷地形状を活かした立体配置を採用することで「横浜みなとみらい」から「富士山」までを見渡す開放感のある景色を最大限取り込んでいます。
構造体を表現するデザインとすることで壁の連続性が強調され、リズミカルな表情を作り出すだけでなく、安心感を生み出すファサードとしています。

永く使ってもらうために
構造躯体や空間などの「変わらないもの」と、住戸プラン や設備配管などの「変えていくもの」を見直し、次世代SI住宅を提案しています。
プランの自由度を高めるために、間仕切り壁下の補強を不要にした「フリーウォール二重床工法」や水周りの床下の部分点検を可能にした「フリーアクセス二重床工法」を新たに開発。また、設備配管の更新性を高める「マルチシャフト」を開発し、2住戸に1つ設け、水周りの採光・通風にも兼用しています。

『「ひとつ上の安心」という価値。』というコンセプトのもと、2009年にスタートした国の「長期優良住宅」制度に東急東横線沿線で初めて認定。さらに、各種先進的な提案を盛り込むことで国土交通省の「長期優良住宅先導事業」にも採択されています。

構造設計主旨

本建物では、建屋長辺方向を扁平な壁柱と床梁の剛接架構によるラーメン構造とし、短辺方向を柱と耐震壁(柱と同厚)による壁式構造とした、TWFS構造(厚肉壁床構造)を採用しています。
壁柱・床梁は主にバルコニー側・廊下側に配置し、耐震性能確保のため、壁厚340mm以上、床厚350mm以上を確保しています。
TWFS構造を採用することで、居室内に梁・柱型が出ない、自由度の高い居室空間を生み出しています。
またB棟のメゾネット住戸にはプレストレスを導入した片持ち梁を採用し、浮遊感のある構造躯体を実現しています。
また、長期優良住宅認定取得のため、水セメント比45%以下のコンクリート(JASS5計画供用期間:超長期相当)を採用し、耐久性に配慮しています。
耐震グレードとしては、耐震等級2の取得や、F.T.Pileによる地震時の杭損傷の低減を図ることで、長期間に渡る優れた耐震性能を実現し、「ひとつ上の安心」を居住者に提供しています。

設備設計主旨

「マルチシャフト(共用部の吹抜け状のシャフト)」を開発し共用排水管を集約することにより、専有部に立ち入ることなく維持管理が容易に行え、さらにマルチシャフト・ピット内等に将来用配管更新スペースを設けることにより生活しながら共用排水管の更新を行えるよう工夫をしています。
結果、「維持管理対策等級3(専用配管・共用配管)」及び「更新対策等級3(共用排水管)」を取得し「長期優良住宅」の認定を受けることにより、エンドユーザーに対し将来的な「安心」を提供しています。
また生活空間を豊かにするため居室には下り天井をなくし、ダクトルートは全て住戸内廊下を介して共用廊下側に排気する計画とし、共用廊下に対する排気の臭気溜りについては「排気拡散シミュレーション」を行い、臭気溜りがないことを確認しています。
電力系統のメインとなる東電借室及び通信・弱電系統のメインとなるMDF室を建物中心に位置するB棟に配置することにより、各負荷への電源供給、弱電配線を効率良く行う計画としています。
照明器具については専有部、共用部共にLED器具を主体とし、環境に配慮した計画としています。
屋上には太陽光パネルを最大約20KW設置可能なスペースを確保しており、コンクリート基礎及び将来配線可能な配管を設置しています。

ランドスケープ設計主旨

敷地の持つ「丘の上(HILL-TOP)」という地形特性を活かし、「光」「風」の優しさを感じ、「空」の広さ・開放感を感じられるランドスケープの創出を目指しています。
エントランスアプローチはケヤキのシンボルツリーとエントランスへ連続する植栽等により、マンションの顔となる表情豊かな空間としています。
また開発擁壁を緑化ウォールで被覆することにより圧迫感を軽減し、景観性を向上しています。
傾斜地である中庭は繊細な枝ぶりのミツデカエデにより木漏れ日や葉音を感じられる空間とし、足元の花やカラーリーフの地被植栽により明るく彩りのある中庭空間を実現しています。
全体植栽計画はエコロジカルプランニング手法により、地域の潜在自然植生や郷土種、地域の人々に古くから親しまれてきた里山林や屋敷林等、気候・風土に合った樹種構成を基本とし、生態的にも景観的にも地域と調和し、長期にわたり安定した生長を持続できる長期優良住宅認定に対応した植栽計画としています。
また鳥類の食餌植物やチョウ類の誘蝶植物、エコスタックやバードバス等を積極的に取り入れ、生物の生息環境にも配慮した植栽空間を創出しています。
自然植生ゾーン、里山林ゾーン、生物誘致ゾーン、防風林・遮蔽林からなる豊かな植栽空間は周辺のまとまった緑とのネットワークの小拠点となり、地域の自然再生に貢献することにより敷地の価値を高めています。

担当

大成建設担当者
建築設計 黒岩光浩、渡邉智介、傳法一成、林美希子、光高啓二、田仲雄毅(前期)
構造設計 小田切智明、中島崇裕
設備設計 小野田修二、川崎賢哉、三浦一利
電気設計 小野田修二、古宇田真一、内藤政春
ランドスケープ 蕪木伸一、小池亘、木川薫、林秀一郎