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WORKS 2012

ノリタケ虎ノ門ビル

用途:事務所
所在地:東京都港区
延床面積:1,432m2
地下:1階/地上:6階

建築設計主旨

陶磁器で有名なノリタケカンパニーリミテドの東京本社ビル計画です。
6m道路一面接道という条件下で、天空率を用いて道路斜線を緩和、可能な限り正形なボリュームを計画しています。
また、接道面に植栽帯を設けることで、緑の少ない通りに対して環境的に貢献しています。

「cher blanc(シェール・ブラン)」 ~親愛なる白へ~
「ものづくりの共有」

デザインはノリタケブランドを象徴する白磁の「白」をコンセプトに据え計画しています。

外装は、全面にセラミックプリントを施したガラスカーテンウォールを用いて、シンプルながらも陶磁器の釉薬を纏ったような深みをもつ、白いボックスを表現しています。
内部空間も同様に、白を基調としながら、より人肌に近い、柔らかな優しさをもったデザインとすることで、人に寄り添うものづくり・人と人とを繋ぐものづくりを大切にされてきたクライアントの想いを共有し、体現できるような建築となることを目指しました。

構造設計主旨

オフィスビルとしての価値を最大限に高めるため、耐震性・空間のフレキシビリティー・構造表現においてシンプルで無駄のない構造計画を目指しました。

耐震性

耐震要素となる柱、耐震壁は、バランス良く配置し、また耐震壁が無い長辺方向は、建築計画に影響しない範囲で十分な柱断面を確保することで、長辺・短辺方向共に、ねじれ及び変形に対して優れた耐震性を確保しています。

空間のフレキシビリティー

事務室および打合せスペースとしてフレキシブルな利用に対応できるよう、約12mスパンをRC梁で計画しています。
天井段差をデザインに取り込みながら梁せいを極力確保するとともに、ひび割れ幅にも留意して設計しています。

構造表現

内部階段の構造計画はデザイン的にも実用性の面でも重要度が高く、建築と構造の調和が求められました。
ノリタケのもつ柔らかなイメージを体現するため、ささらにはエッジが無い角形鋼管を、蹴込板には円弧状の構造プレートを配し、機能を十分に確保した構造部材で建築のデザイン意図を表現しています。

設備設計主旨

ローコストながらも快適で、省エネルギーなビルの実現を目指しました。
変圧器は超高効率型を採用することにより無負荷時の損失を低減し、共用部等のダウンライトにLED器具を採用しています。
また、デザインウォールのお皿を模したくぼみを柔らかく浮かび上がらせるため、ピンスポット照明の配置や配光を調整し、これに間接照明を併用することで、エントランスの雰囲気演出に配慮しています。
空調計画では、エントランスホールの外気負荷低減のため、執務室の排気を供給してエントランスホールを陽圧化し、また、頂部の熱溜りによる上層部の空調負荷低減のために、頂部に排気ファンを設置しています。
なお、室外機には散水設備を設置し、夏季の空調機の効率を向上しています。
1階事務所はデザイン上透明ガラスを採用しており、冬季ドラフトが懸念されたため、床面にフィルムヒーターを設置することで、冬季の執務環境向上に配慮しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 平井浩之、鈴木智子、米澤俊樹、川岡秀郎、増渕裕幸
構造設計 新田隆雄、西尾博人、大和伸行
設備設計 豊原範之、割田朋香、久保田宗人
電気設計 豊原範之、坂下泰士