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WORKS 2012

すみだ水族館


撮影:ナカサ&パートナーズ
用途:水族館
所在地:東京都墨田区
延床面積:7,143.07m2
地下:2階/地上:5階、6階

建築設計主旨

東京スカイツリータウン(R)の5 ・6階の2層からなるインフィル型水族館です。
都市の中の美術館のように日常の延長として気軽に立ち寄れる水族館であり、観客・生き物・スタッフが同じ空間でつながっていることを感じられる「コミュニケーションデザイン」等の新たな付加価値の創造を目指しました。
水槽デザインやサイン計画、照明計画に様々な分野の方とのコラボレーションを行い、今までにない水族館を実現しています。
上下フロアのつながりは、複数のルートからなり、それぞれに楽しみ方が異なります。
決められた順路は無く、何度も行き来し、心行くまで水族館内を回遊し、様々な角度や視点で水槽を鑑賞することが可能です。
飼育の現場がオープンである「ラボ」は、スタッフとのコミュニケーションが可能となります。
国内最大級の屋内開放型水槽では、ペンギン・オットセイとの親密な「距離感」が、同じ空間に居ることを実感できます。
こうした水槽を支える技術として、テナント型としての下階への防水対策、開放水槽としての臭気・空調対策、可変性のある置型水槽を採用することで更新性を確保しています。
躯体水槽も含めたすべてのインフィルを撤去できるよう建物躯体から縁を切った構造としています。

構造設計主旨

複雑な形状の「東京大水槽」のアクリルとの躯体取り合いや、S字状のスロープの架構など、展示物の一貫であることから、見え方と安全性に配慮しています。
また階下別テナントへの漏水対策として、防水を施した2重床とし、更に接地圧の大きな部分はステンレス防水としています。
用途の変更や積載重量の増加、展示計画内容の精査等の水族館計画の熟度に合わせて、工事期間中における東京スカイツリータウンの建築主・設計者・施工者と密接な連携を行うことで、今までにない都市型水族館が実現しました。

設備設計主旨

今回の水族館の注目の一つであるペンギン展示水槽は、国内最大級の屋内開放型展示水槽です。
実現のための課題であった「臭気対策」「光環境」などについて、酸素クラスター脱臭や気流分布解析、エアカーテンの設置、調光型LED照明器具など様々な技術検討とシミュレーションを行い採用しています。
またこの展示空間は、大空間であるため、居住域空調や外気導入量制御、LED照明の導入により省エネルギーを図っています。
災害時の水族館の機能維持を図るため、水族館専用の非常発電機を設置し、震災時の魚類・海獣類の生命維持を図る計画としています。

都市型テナント水族館であり、電力、水道、ガスなどのインフラは東京スカイツリータウンから供給となるため、綿密な打合を行ない水族館に必要なインフラの確保を行っています。

水処理設備・展示造形設計主旨

当社独自の人工海水製造システムにより、淡水を除くすべての水槽の水を完全人工海水化しています。
完全人工海水を導入した施設としては、「京都水族館(2012年3月14日開業)」についで2番目となります。
内陸型水族館の課題だった、大型車両による海水運搬時に発生するCO2の発生を抑え、年間を通して一定の水質を維持できるため、水槽内の生物にとっても快適な環境を提供することが可能となりました。

展示造形は、主としてFRPを採用することで軽量化を図るとともに、置型水槽を多用することで将来のリニューアルの容易さを実現しています。
また「東京大水槽」は小笠原村関係者の協力を得て実現しました。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
サイングラフィック 廣村デザイン事務所
照明 ICE都市環境研究所
大成建設担当者
建築設計 桜本啓三、馬渕富夫、増田裕康
構造設計 西川泰弘、井上慶一郎
設備設計 熊谷智夫、小畠忠久
電気設計 熊谷智夫、加藤勇太、佐藤文明、齋藤允喜哉
水処理設備・展示造形設計 西村正宏、加藤尚行、小菅智、稲葉典史