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WORKS 2013

MCC三鷹ビル サウス棟

用途:データセンター
所在地:東京都三鷹市
延床面積:14,573m2
地上:4階

建築設計主旨

三鷹市に建つ日本初の都市型直接外気冷房を備えたデータセンターです。
「次世代都市型DC」をコンセプトに、都市型直接外気冷房・免震層全面クールピット・屋上緑化・太陽光パネル・雨水利用により、 CASBEE Sランク、PUE=1.22を実現しました。
「空を届けるINDUSTRIAL DESIGNとしての建築」をデザインコンセプトに掲げ計画しました。
本建物は、データセンターのため、外壁に必要給気開口、防風板、直接外気冷房の給気フードや排気ダクト、非常用進入口、搬入口、側壁避雷対策等、様々な付属物が出てきます。
これらの要素を整理し、機能を形態化することで、装飾性を削ぎ落した工業製品のような建物を目指しました。
外壁材として初めて用いられた無機系ZAM鋼板は、錆や汚れに強いだけでなく、近隣に配慮し反射を抑えています。
うっすら反射する無機系ZAM鋼板は、朝はうす紫の空を、昼には青空や白い雲を、夕方には茜色の空を、夜には藍色の空と、時間により変化する様々な空の表情を映しこみます。
「空」を感じさせるこの建物、マンションが連立するこの地に「空」をお届けしています。

構造設計主旨

本建物は鉄骨造の純ラーメン構造架構としています。
ロングスパン大梁を採用することにより、フレキシビリティの高い無柱空間を実現し、さらにロングスパン方向の大梁端部を逆梁構法とすることにより、十分な有効天井高さを確保しつつ最小限な階高を実現しています。
また、床スラブに穴あきPCa合成床板を採用することで、小梁レスな快適設備環境を創出しています。
本建物では、巨大地震動に対しても建物の安全性を保持し、データセンターとしての機能維持を図るため、弾性すべり支承と天然ゴム系積層ゴム支承を併用した免震構造を採用しています。
基礎は支持杭基礎とし、大成式杭頭半剛接合構法(F.T.Pile構法)を採用することで、地震時の杭体の損傷を抑え安全に建物を支持させています。

設備設計主旨

サーバー室空調はN+1構成の床吹出AHUとしており、熱源機器はN+2構成の空冷モジュールチラーを採用した二次ポンプ方式とし、配管・コイルを二重化した信頼性の高い空調システムとしています。
外気冷房を都市型複層データセンターに導入する上で重要となるショートサーキット防止の為、各階OAフードからの給気に対し、排気を屋外設置したダクトにより屋上まで導き開放するシステムを取り入れています。
これにより機械室面積を有効利用し、年間71%の期間において熱源稼動を抑制できる大風量外気冷房を実現しています。
電源システムは徹底した二重化及び冗長化により、機器の故障時や更新時においてもサーバーへの給電を継続可能としています。
電力会社からの引込みは本線-予備線方式としており、20000kVAの特高変圧器を二重化構成で設置しています。
UPSは負荷融通性に優れた並列冗長方式(N+1構成)を採用しています。
長時間の停電に備えて、単機容量2500kVAのディーゼル発電機を設置し、燃料備蓄量は72時間を確保しています。

担当

大成建設担当者
総括 出野昭彦
建築設計 安田孝、土井健史
構造設計 新田隆雄、小林治男、岩間結莉香
設備設計 小野田修二、長徹
電気設計 小野田修二、齋藤允喜哉

社外受賞

2016年 第2回 ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞) 優秀賞