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WORKS 2013

オギツ本社ビル

用途:事務所
所在地:東京都台東区
延床面積:2,065.53m2
地上:6階

建築設計主旨

創業60周年を迎えた婦人靴の製造・卸売りを行う浅草を拠点とした専門商社、株式会社オギツの本社ビルです。
永く使い続けられるオフィスとするため、建物要素をミニマムに抑えて利用者が自在に使えるオフィスとしつつ、デザインに携わる企業の本社ビルとしての個性を備えた建物とすることを目指しました。
外壁と構造体を兼ねた壁柱構造の採用と、X階段を用いたコンパクトなコア計画により、整形で効率の高い基準階平面としています。
婦人靴を扱う企業にふさわしい繊細な外観とするため、壁柱の位置はフロアごとにずらし、白と淡灰の二色のパターンを施しています。
単一モジュールの壁柱は、敷地特性に応じてその間隔に変化させています。
東西面は眺望を得るため広い窓とし、南面は日射を抑制しつつ中間期に自然換気が可能なスリット状の窓としています。
本来は重量感があるコンクリートの壁柱がまるで靴箱のように積層された軽快な外観は、周囲の街並みの中で存在感を示しています。
人を迎えるエントランスには、外観イメージを深く浸透させるため、異素材による同じパターンの壁を設けています。
5階は会議室と社員の食事や休憩のためのラウンジとし、可動壁を開ければ大人数のイベントに対応できる空間となっています。
屋上の東京スカイツリーを望む庭園は、社員の憩いのための場となっています。

構造設計主旨

婦人靴を扱う会社に相応しい繊細な建築デザインが求められていたため、構造計画は上下階の壁の重なり方に注力しています。
壁の重なる面積(柱断面積)を極力小さくし、水平ラインを形成する梁も先端を薄くした台形梁とすることで、壁一枚一枚が浮遊しているように見え、建物全体に緊張感を与えるファサードデザインを実現しています。
構造架構は、具体的には外周4構面に市松状に耐震壁を配し、内部は短手方向に鉄骨小梁を架け、床を支持させています。
耐震要素は外周耐震壁のみとなり、免震効果を効率良く発揮できる、剛性が非常に大きい外殻構造となっています。

設備設計主旨

環境への意識の高い企業の本社ビルに相応しい建物とするため、省エネに配慮すると共にイニシャル・ランニングコストを低減する設備計画をテーマとしています。
省エネ技術としては、全熱交換器、節水型大便器、LED照明、トイレの人感センサーを導入し、使いやすさとランニングコスト低減に配慮しています。
施工中に追加提案を行い、事務室については、全館にわたり大成オリジナルLED照明を採用しています。
また、新開発のT-Green BEMS Lite(当社独自技術)を導入し、建物の使用エネルギーをリアルタイムでの集計を行い、利用者に対しLAN経由でわかりやすく表示、見える化し、節電意識の啓発向上を目指しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 安田孝、高橋章夫、中塚大介、石原佳剛、安田穣、川岡秀朗
構造設計 新田隆雄、小林治男、大和伸行
設備設計 豊原範之、梶山隆史、原田明日香
電気設計 豊原範之、坂下泰士(前期)、種市文彦(後期)