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WORKS 2013

たにぐち日高川工場

用途:工場
所在地:和歌山県日高郡
延床面積:3,004.90m2
地上:2階

建築設計主旨

ケーキやデザートの上に飾りとして載せるチョコレート(オーナメント)を製造する株式会社たにぐちの新工場です。
外観は製造部分をケーキに、厚生部分をオーナメントに見立てることで、たにぐちらしさを表現しています。
オーナメントに見立てた厚生部分はたにぐちの製品をモチーフにして、丸窓をランダムに配置することで外観のアクセントにしています。
内装も見学者施設の床をチョコレート色にすることで外観とのイメージの統一を図っています。
1階のエントランスホールでは、たにぐちの歴史から技術紹介までを行うとともに、ホール横の研修室ではケーキ作り等を体験することができます。
さらに2階の見学通路では多種多様な商品の紹介とともに製造工程を俯瞰で体験することができます。
より見学を楽しくする要素として、たにぐちの多数ある製品から代表的なものをイメージした家具をエントランスホールに設置することで、訪れる人の記憶に残る施設づくりを目指しています。

構造設計主旨

「たにぐちらしさ」を実現するための特徴的な外観を構造的に解決することと、コストパフォーマンスの良さをテーマに計画しています。
基礎は直接基礎で、上部架構は鉄骨造の両方向ブレース構造を採用しています。
設計コンセプト上重要な2階せり出し部分の鉛直荷重に対し、吊り材と引張ブレースを直列に配置することで、軸力の円環構造を形成し、経済的かつ安定した架構としています。
また、部分的に設けられた2階部分による平面的な荷重の偏在を考慮し、1階ブレースの剛性や配置の計画を行い、地震時の建物のねじれの少ない合理的な設計としています。

設備設計主旨

チョコレートを製造する施設として、まず衛生・防虫に配慮し、且つ時代の要求である省エネにも考慮した計画としています。
衛生面では、清浄度の高い生産室の外気取入れにはフィルターを設置し、清潔な環境を保持しています。
また、清潔エリアを最陽圧とする清浄度区分に応じた換気フローを実現しています。
防虫面では、外気取入れ部分に防虫フィルターを設置し、虫の進入を防いでいます。
また、建物の入り口部分には誘虫性の低いLED照明を配置しています。
省エネ面では、屋外にソーラーLED外灯、屋内にも積極的にLED照明器具を採用しました。中でも製造室には業界トップクラスの効率を持つ大成オリジナルLED照明器具(食品工場仕様)を採用し、食品工場の清潔な環境を満たしつつ、且つ高い省エネを実現しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 下村真一、入江健二、橋爪宏直
構造設計 島村高平、小野森司、川村学
設備設計 岸野豊、板橋正弘、吉田三香
電気設計 岸野豊、小泉真

社外受賞

2014年 第48回 SDA賞 D部門 入選・関西地区賞