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WORKS 2014

Coconeri

用途:病院、店舗、区施設
所在地:東京都練馬区
延床面積:22,693.31m2
地下:3階/地上:8階/塔屋:1階

建築設計主旨

練馬の新たな地域拠点として、世代を超えた「にぎわい・交流・憩い」を生み出す施設実現をテーマに計画しています。
中高層ビル群が建ち並ぶ練馬駅南口から、北口の平成つつじ公園や低層住宅街へと移行する周辺地域の街並みに調和させるため、階段状の外観としています。
また、素材使いや組み合わせ方をボリューム毎に切り替え、デザインを分節化することで街に溶け込む表情をつくり出します。
屋上部や壁面部は積極的に緑化することで、平成つつじ公園からの緑の連続性を感じさせ、屋上部を外部階段でもアクセスできるオープンスペース(4階ひろば、3階パークサイドステージ゙、6・8階リハビリ病院用テラス)として地域の方や施設利用者に開放し「憩い」の場を提供しています。
オープンスペースは施設内動線の核となる1~4階を貫く半屋外吹抜け空間(コミュニケーションボイド)と繋がり、街路から連続する一体感により、誰もが気軽に立ち寄れる空気感を演出し、多世代が利用する複合施設に新たな「交流」を促します。
駅前ロータリー側は緩やかなピッチで配されたルーバー付開口により開放感を演出し、「にぎわい」を発信します。
商業施設・区施設・病院からなる官民複合施設が閉じた単体施設の集積に留まることなく、オープンで風通しの良い空間により通じ合い、訪れる毎に利用の幅を広げたくなるような建築を目指しています。

構造設計主旨

本建物は、鉄筋コンクリート造で、X方向・Y方向ともに純ラーメン構造とし、竣工後の模様替え等の自由度の高い計画としています。
21.6mのロングスパンでかつ上階の柱を受ける3階ホール上部の大梁には、プレストレストコンクリートを採用することで、部材の耐力に十分な余裕度を確保しています。
さらに、上部のスラブ厚さを250mm以上確保することにより、ホール上部のひろばからの振動や音の伝搬を低減するよう配慮しています。

北側構面には立体公園化された屋上空間があり、上階に向かってセットバックした形状となっているため、剛心に比べて重心が南側へ寄るために偏心しやすい形状ですが、非構造壁を有効に利用し、袖壁付き柱として評価することで剛性と耐力のバランスを調整し、偏心率をおさえながらも地震時に負担する荷重に対して必要な耐力を確保できる計画としています。

設備設計主旨

公共性が高いという建物の特殊性を鑑み、発電機の設置及び燃料の備蓄・防災井戸の設置・受水槽を2台設置等、災害時にも機能を確保できるよう信頼性の高い計画としています。
さらに、病院部には専用の発電機も設置、テナントにあわせた各設備の系統分割をし、ユーザー・管理者のニーズにも応えています。また、壁面緑化や雨水利用・LED照明の採用等、環境性の向上及び省エネルギーにも配慮した計画としています。
空調設備については、換気を生外気導入とせず、外気処理専用の空調機を設置することにより、快適性の向上を図っています。

ランドスケープ主旨

壁面緑化及び階段状の各屋上には屋上緑化をなるべく多く設置し、立体的な緑化空間を計画する事で、敷地北側にあるつつじ公園と敷地内の緑の連続性を創出しています。
また、地上部の植栽エリアは限られているものの、立体的な緑化を計画する事で、施設内のどこにいても緑を感じる事の出来る豊かな空間を計画しています。
さらに、元々敷地内にあったケヤキを場内移植する事で、土地の記憶を継承し、建物の成熟度を上げています。

担当

大成建設担当者
建築設計 三浦友己、加藤純、横山恭太
構造設計 松本修一、今津裕子
設備設計 福田浩、上田泰史
電気設計 内田元、入江俊介
ランドスケープ 蕪木伸一、木川薫

社外受賞

2014年 平成26年度土地活用モデル大賞 都市みらい推進機構理事長賞
2015年 第5回 省エネ・照明デザインアワード2014 優秀事例
2015年 平成26年照明普及賞