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WORKS 2014

モンテール総社工場

用途:食品工場
所在地:岡山県総社市
延床面積:16,996.62m2
地上:2階

建築設計主旨

おいしい、やさしい、たのしい建築。
より多くのお客様に、新鮮でおいしいスイーツをお届けするため、品質・衛生管理を徹底し、さらにブランドイメージの発信と地域共生を目指した西日本の生産拠点です。
フードディフェンスを強化した安心・安全な製造環境と、日本で最も晴天率の高い立地特性を活かした自然光に包まれた食堂を設えた工場「SWEETS FACTORY」と、地域の皆様においしさをお届けする地場木材を活用した直売店「SWEETS STOP」を計画しています。
シュークリームやロールケーキを連想させるR形状をモチーフにやさしく包まれたようなかたちとし、ファサードは3色の外壁材をランダムに配色することで、ひとつひとつ手作業でつくられるお菓子が唯一無二であることを表現しています。
騒音や臭気対策として屋外機器置場を包み込んだ建物は、周辺の山並みに調和し、時間帯や季節、見る角度によって変化する表情は訪れる人々をたのしい気持ちにさせます。

構造設計主旨

工場棟は内部空間のフレキシビリティを考慮し、鉄骨造の両方向ラーメン構造を採用しています。
2階は将来のレイアウト変更に対応するために、トラス梁による34mのロングスパン架構とし、無柱空間を実現しています。
耐震性能に関しては、客先からの要望もあり、必要耐力の1.25倍以上の保有水平耐力を確保しています。
直売店は軽やかな内部空間を実現するために、柱が全て100mmの角形鋼管により構成される鉄骨造の両方向ラーメン構造としています。
細い柱の構造とするために、建物長手方向の柱スパンは2.85mの細かいスパン割りとしつつも、サッシの割り付けに合わせることで、耐震性能と内観デザインの両立を図っています。また、柱脚を埋込み柱脚とすることで、剛性を確保し、水平荷重に対する変形を抑制する計画としています。

設備設計主旨

安全な食品を製造するために食品安全管理体制の強化・徹底の評価として取り入れているAIB指導・監査システムに対応した建物とするため、汚染防止・異物混入防止・防虫対策に配慮し、衛生管理を徹底した工場の実現を設備計画のテーマとしています。
汚染防止(微生物)対策として、製品の仕上げを行う室(製品が露出する室)は菌の付着低減のためにHEPAフィルターを使い、陽圧管理されたクリーンルーム(クラス10,000程度)としています。
異物混入防止対策として、設備機械を屋上と2階機械室と天井裏に集約し、外部からのセキュリティ及び生産ラインから独立したメンテナンスルートを確保しています。
防虫(有害生物)対策として、外部からの虫の侵入防止と侵入した虫の活動量低減のため、生産エリア内部への途中で温度を冷蔵庫レベル(5℃程度)に下げた室を通る計画としています。
また、生産エリア内照明ランプに紫外線防止フィルム付蛍光灯を採用、捕虫灯の捕虫効率をアップしています。

担当

大成建設担当者
建築設計 入江健二、横溝成人、勝又洋
構造設計 出雲洋治、矢島龍人
設備設計 岸野豊、竹内伸介、室賀雪絵
電気設計 岸野豊、遠藤晃
エンンジニアリング 長嶋達也
シミュレーション 横井睦己、大木泰祐