HOME > WORKS2014 > 六絲水

WORKS 2014

六絲水

用途:飲食施設
所在地:京都府京都市左京区
延床面積:969.49m2
地上:5階

建築設計主旨

昔からそこに存在していたかのような佇まい
平安神宮、京都市美術館、白川等が存在する京都岡崎の地に、飲食ビルを調和させることが最大のポイントでした。
二項道路にの石垣に70年以上も存在するケヤキ、桜並木を保存することを京都市と協議し、従前から変わらぬ高木の並木が周辺環境に寄与しています。
周辺の緑から落ちる枝、葉の影が建物の存在を和らげ、周囲になじませます。
また内部からは各名所が一望でき、地域に溶け込む京都の魅力再発見の場としています。

マッシブなボリュームを和らげる手法
マッシブなボリュームを周辺に馴染ませるため、2層のピロティを設置し、建物足元部分は緑と一体化を図ると共に、玄関はぬけ、深みを出しています。
京都特有の土壁が地域に向けたキャンパスとなり、壁面に落ちる木々の影、ライトアップされた際に落ちる葉の影、光と影の陰影が建物にシンプルな表情を与えます。

実質2850の階高で4000の天井高さを確保
15mの高さ制限のもと、商業ビルとしては異例の低い階高(2,850)ですが、断面的な工夫により各メイン諸室は天井高さ4,000を確保し、空間のバリエーションを実現しています。
施設内を回遊する際、場所ごとの「シーン」に人々がいざなわれ、外部・内部が一体となった空間に入り込んでいきます。

構造設計主旨

天井高さの異なる諸室を納めるための架構の工夫
階によって部屋のレイアウトが異なり、吹抜けもある、構造的に入り組んだ計画となっています。
逆梁を設けるなどして設備スリーブをかわし、露出で見えてくる小梁については設置向きなどをあらかじめ意匠と調整することで、空間演出と調和した架構計画となっています。
吹抜けが随所にあるため、コア周りと外周部に配置された耐震壁周りのスラブ・梁を剛強にし、十分な面内剛性・耐力を与えることで、地震時の水平力が伝達できる構造計画になっています。

設備設計主旨

天井懐や下がり天井を最大限に利用した設備計画
今回の計画は高さ15mに5層を納めているため、天井内の納まりが少なからず設備システムに影響しています。
メイン諸室は2層を使った吹抜けとなっており、天井高さは高いものの、比較的天井懐の確保は可能であったため、その懐を利用して機器配置を行っています。
また、4階ホールは気積が大きいため大容量の空調機が必要となりますが、天井懐に余裕がなかった為、下がり天井を設けて、その上部にメンテナンス床を設けた設備機器置場を設置する等、天井内の空間を最大限に有効利用しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 平井浩之
構造設計 山崎英一、板矢崇志、杉山雄亮
設備設計 西村英俊、湯浅孝
電気設計 西村英俊、坂下泰士