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WORKS 2015

UDエクスペリエンスセンター

用途:事務所(展示施設)
所在地:埼玉県上尾市
延床面積:3,275.37m2
地上:2階

建築設計主旨

「UDトラックスブランド」の理解を深め、UDトラックスの製品や歴史を紹介するための施設です。
ブランドイメージにふさわしい施設とするため、装飾を極力排除し、シンプル、機能的でかつヘビーデューティーな建物とすることを心がけました。
周囲を取り巻く全長約1kmのテストコースのスケールに呼応するため、建物外観は60mのボリュームが基壇に乗った、力強く、明快で安定感のある構成となっています。
来館者を迎えるエントランス上部は門型とし、その脇にはテストコースに向かって跳ね出した見学デッキを設けています。
来館者の体験を演出するため、ドラマティックなシークエンスを用意しています。

バスで訪れた来館者は、エントランスホールで出迎えられたのち、閉じたプレゼンルームに案内されます。
そこでレクチャーを受け、映像のクライマックスと同時にスクリーン後ろの扉が開き、実物のトラックが並ぶプレゼンホールへと導かれます。
トラックのスケールに相応しい38m×36m、高さ10mのプレゼンホールは、ハイサイドライトから自然光が入りつつも、暗転して映像による迫力ある演出も行えます。
来館者は、展示空間を巡回したのち2階ラウンジに案内され、くつろぎつつトラックが陳列されている様子を上部の吹抜けから鑑賞したり、見学デッキに出てテストコースを疾走するトラックを眺めたりできます。

構造設計主旨

機能的かつヘビーデューティーなトラックにふさわしい展示空間とするため、建築自体の構造を露出させた表現としています。
デザイン性と経済性を考慮し、スパン方向はラーメン構造、桁行方向はブレース構造を採用しています。
テストコースに向かって3m跳ね出した見学デッキは、片持ち梁の先端部をカットしたシャープな構造とすることで、外観ファサードのアクセントとなっています。

トラックを展示するプレゼンホールやエントランスホールのスラブは土間コンクリート、その他執務室の床は構造スラブを採用するなど、用途に応じた配慮を行っています。
基礎は杭基礎とし、地震時に杭の損傷を抑えるために、杭頭半剛接合構法(F・T・Pile構法)を採用しています。

設備設計主旨

見学者が来館する施設として、快適性、経済性に配慮しつつ、デザイン性や環境にも配慮した設備計画を目指しました。
特にトラックの展示に使用される大空間においては、建築・構造・設備の3分野で十分に調整することで、露出されたダクトや配管自体がデザインとなるような設計としています。
照明は主要室においてLEDを用いています。
その他、全熱交換器の採用、工水の便所利用等、環境にも配慮しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 高橋章夫、中塚大介、川岡秀郎
構造設計 早部安弘、福本陽介、大野瞳
設備設計 豊原範之、原田明日香
電気設計 豊原範之、古宇田真一、小林徹也